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04月29日 火  雑想

「暴風雨、三匹の子豚」――。
 本日の勤務中(世間では祝日だが、動いている裏方仕事もあるのである)、狸よりも年長のメンバーが、雑談中に、ふと繰り出した親爺ギャグである。これで笑いを取れてしまうという、心身ともに昭和レトロな職場なのであった。他に、「義理にむせぶ夜」というのも出たが、ヒネリが足りなすぎてウケなかったようだ。
 ちなみにこれらの駄洒落を、NHK人形劇『ブーフーウー 三匹の子豚』や、黒木憲の流行歌『霧にむせぶ夜』と瞬時に直結できる世代というと、ここをご覧の方では、明大漫研OBの方々くらいだろうなあ。

 世間では、硫化水素自殺がハヤリのようだ。飛び下りや飛びこみも十二分にハタ迷惑だが、まあ追いつめられた者の発作的な行為と思えば解らないでもない。しかし硫化水素は発作的には発生しない。計画的にハタ迷惑を画策しているのである。富士の樹海で物言わず風化してゆく方々が、そぞろ愛しく思われる今日この頃。

 映画『大菩薩峠』、岡本喜八監督も仲代達矢さんも大好きなのだけれど、今回はあまりに濃すぎてキレすぎて、因果話を通りこしてほとんど怪談話の様相。それはそれで大層面白かったのだけれど、やっぱり机龍之介というと、市川雷蔵さんの虚無感が恋しい。たとえば夜道で突然市川龍之介に斬りつけられたら、狸としては、なんだかよくわからないながら「ああ、なんの理由もなく斬られてしまうのね、でも、なんか、ちょっと運命かも」などとすなおに斬られてしまいそうな気がするが、仲代龍之介にあのぎょろりとした目で迫られたら、速攻、石地蔵に化けて関わり合いを拒否します。
 ところで内藤洋子ちゃんの『伊豆の踊り子』(恩地日出夫監督の)、DVDはなぜか出そうもないので、BSあたりで放映してくれまいか。歴代の踊り子の中でも一番原作のイメージに近かったように思うのだが(まあドラマ版の栗田ひろみちゃんに関してはミーハーの目でしか見られないのでちょっとこっちに置いといて)、予備校時代に仙台の名画座で一度見たっきりなので、もはや記憶が薄れるばかりなのである。


04月26日 土  名称不明バトン

 clown-crown様から、バトンを受け取りました。

1、思い出せ! 今までに使ったPN全部

 バニラダヌキ (ネット上では唯一の化け名。HN兼用)
 沖之司 拡 (主に出版社に応募するときのPN)
 あとは大昔公募に出したときの、本名にオマケ一文字くっつけた名前だけですね。

2、思い出せ! 今までに、イラスト、漫画、小説をかいたジャンル全部

 ジャンルというのは、どーいった意味でのジャンルなのでしょう。

 ホラー
 コメディー
 ギャグ
 ミステリー
 サスペンス
 ファンタジー
 伝奇
 メルヘン
 ラブロマンス
 
 とゆーよーな感じのジャンルなのでしょうか。それとも、

 エンタメ
 ガロ系
 純文学

 とゆーよーな分類なのでしょうか。
 まあ全部試したことがありますが。
 ちなみに二次創作は一度も経験がありません。中学の頃からオリジナルばっかしです。
 あ、小学校の頃は『オバケのQ太郎』『天才バカボン』等の似顔絵を読者欄に送ったりしましたが。

3、思い出せ!今までに同人誌を買ったジャンル全部

 オリジナル系ロリひと筋にウン百冊。……あ、嘘でした。『うる星やつら』と『GS美神』のエロパロも少々。

4、思い出の多そうな5人くらいに回そう

 clown-crown様は、『甘木さんとバニラダヌキさんと三人のドンベさんに送る』と記されておったのですが、ドンベ様は現在どちらにいらっしゃるのかご存知でしょうか。当方、捜索中だったりします。
 で、狸が回すとすると――同人誌ネタ含む――他にそれらしい人は残っとらんがな。


04月25日 金  楽にならざり

 今月こそ給料日には大ビンボから中ビンボに返り咲けるはずではなかったか――まあ予定はあくまで未定であって決定ではないということか。GWに、故郷で亡父の十七回忌をやらなければならない。狸は長男なのである。義務を押しつけられそうな弟はいない。墓洗ってお経読んでもらわんと世間がうるさいし、内輪だけの集まりでも酒肴を用意しなければならない。「父のお墓の前で泣かないでください。そこに父はいません。父は千の風になってあの大空を吹き渡っています。んでもって狸もいっしょに吹き渡ってしまいます。ひゅるるるる」などとバックレてトンズラこく度胸もない。

 とゆーわけでギリギリの日々がまたまた延長戦に突入したりするわけだが、市民税と受信料は遅れがちながらなんとか納めているので、図書館は使えるしNHKのBSも観られる。だいぶ前に録画した『士魂魔道・大竜巻』や、先日録画したばかりの『南の島に雪が降る』『大菩薩峠』『フェリーニのローマ』――こんだけ未見のストックがあれば、あとはQQのおでんやダイエーの発泡酒だけで、気分はすっかり場末の名画座。
 ところで『大菩薩峠』の導入部だけ覗いたところ、あの清純派・内藤洋子嬢がいきなり巡礼姿のお松ちゃん役で峠に登場し、なんじゃやら彼女が映画デビュー前から児童モデルとして雑誌『りぼん』のあっちこっちで振りまいていた笑顔が、突如として走馬灯のごとく狸の脳裏にくるくると去来し、ついでにそれらの『りぼん』――現在の『少女漫画』ではけしてなく、今は失われてしまった『少女向け児童漫画』の世界――を田舎の家で毎月毎月繰り返し楽しみに読み耽っていた頃の春霞や夏宵や秋雲や雪夜の情動がそれはもー澎湃と湧き流れる涙の雫となって狸の生活に疲れて乾ききったヒゲをつたわってぽたりぽたりと畳にしたたったりして、やはり狸の余命はいくばくもないのではと危惧したりしているわけだが、皆さんどう思われますか。


04月22日 火  黒くて太くて硬いのお願い

 いや、ただの日本蕎麦の話なのだが。
 狸はド田舎の育ちなので、生蕎麦でも乾蕎麦でも、黒くて太くて硬めなのがいい。たとえ蕎麦粉が8割以上の本格的なものでも、白くて細くて柔らかい(きちんと「シコシコ」でも、あまりしなやか過ぎると歯にヤワく感じる)のは、なんだか物足りない。何度も記してしまうように、乾蕎麦では山形から全国区化しつつある『とびきりそば』(小川製麺所)が一番だ。しかし乾蕎麦としては高価で、八割蕎麦や十割蕎麦に近い。
 で、100円ショップやQQから例の68円の店まで、安価な乾蕎麦を片端から試してみたのだが――やっぱり白くて細くてフニャっぽい。どれも『とびきりそば』よりはよほどもっともらしい包装で、国産蕎麦粉使用だの山芋入りだの老舗の喉越しだの立派な口上書きも印刷してあるのに、いざ湯がいて食うと、ちょっと色の濃いそうめんのようなフニャっぷりだ。
 そこで、提案。中国あたりで、なんか秘密の添加物をこっそり死なない程度に混ぜこんだ、生ゴムのように逞しい乾蕎麦を生産してくれまいか。それが田舎蕎麦っぽいボソボソ感に繋がるならば、この際、ちょっとくらい段ボールか何かが混入していてもOK。

 ころりと話は変わって――やはり、自前の創作作品をタダで書店に並べてもらうには、きっちり市場を分析して、傾向と対策も練った上で『その賞向きの、一見ユニークな、でもしっかり多数派向きのキャッチーな話』を書かないことには、無理なのだろうか。図書館では年相応に『オール読物』だの『小説新潮』だの、書店ではフランス書院文庫だのマドンナメイト文庫だの美少女文庫だのまで、こっそりじっくり覗いている近頃の狸です。
 ああ、哀れ、眠れる優子ちゃんの運命やいかに! ……なんて、週に5枚くらいは確実に(?)進んでいるんですけどね。


04月20日 日  図書館にて

 巷ではブルーレイがどうのこうのとかまびすしいが、地元の図書館でようやく普通の(?)DVDを置き始めた。といっても目録にあるのは名画中心にたったの80枚、当然いつもほとんど貸出中で、棚はカラに近い。裁判員制度の広報っぽい学習ビデオが数枚と、NHKの漢詩紀行が一枚ばかり、侘びしく残っていた。その代わり従来のVHSテープは、レンタル屋などではとっくに処分してしまったような過去の話題作やらクラシック名画やら、各種文化系(?)ビデオがあいかわらずひしめいており、もう借りる人も少ないのか、先週借り残した(一度に二本しか借りられないのである)作品が、予約などしておかなくても今週きちんと借りられる。『銀河宇宙オデッセイ』も『男はつらいよ・寅次郎純情詩集』も、ビデオテープならいつでもタダで観られるのである。聞くところによると、近頃のデジタル信号メインの大型モニターなどは、アナログ入力の画質が昔のテレビよりもお粗末だという話なので、いよいよ地デジ切替などが鬱陶しく思えてしかたがない。

 雑誌メフィストの最新号を、おそるおそる確認する。去年送ったたかちゃん物件の評価やいかに。――『とりとめのない小咄を集めた感じで、作品の狙いが見えませんでした。』――ううむ、やっぱし。まあどう繋げて送っても、もとの大半が短編ネタなので、メフィスト賞向きではない。そう言えば昔、ショート・ショートを数十編まとめて送った方への寸評にも、個々の内容にはいっさい触れていなかったなあ。しかし当方の『狙い』は、たかちゃんワールドというなんでもあり空間の構築そのものなのだが――寸評のみに終わったということは、ただひとりの編集さんにしか読んでもらえなかったということだから、波長が合わなければそれまでだ。やはりあの賞は、きっちりまとまった長編でないと無理か。

 帰途、食品系バッタ屋さんで仕入れた68円のアロエ缶が、むやみにうまい。5袋入りでなんと158円の、地方ブランドの袋ラーメンも発見。これもきちんと『明星チャルメラ』に負けない味だ。狸はまだ生きられる。


04月18日 金  こんな夢を見た

 久々になんじゃやら目覚めてしばらく「……俺って大丈夫?」と悩んでしまうような夢を見た。
 場所はなぜか二三度歩いただけの津田沼の駅前、JRの駅から京成の新津田沼駅に至る商店街なのだが、どこもかしこも倒壊したり焼けこげたりしており、大地震か空襲の後のようだ。そのなかば廃墟化した舗道に、数百人は下らない被災者の群れがわだかまっている。よく見ると皆さんすでに生きているはずのない有様で、腕がもげたり上半身だけだったり炭化していたり、それでも「困ったねえ」「電車が動かない」「お腹が空いた」などと、きわめて元気に愚痴をこぼしているのである。
 顔面ズル剥けで歯列半分剥き出しのOLさんが、「あたしなんかコレよ、コレ」と言いながら、ちょっと首を傾げてみせる。曲げた首の横はばっくり裂けており、ぶしゅう、と、それはもう噴水のように鮮血が吹き出す。首をまっすぐにすると、ぴたりと止まる。また傾げると、ぶしゅう。その鮮血を浴びる周囲の方々にも、OLさん自身にも、ちっとも危機感が感じられない。
 そんな群衆の中に、五体満足の、ちょっと煤けただけのおかっぱ頭の女児が混じっており、OLさんの水芸(?)を、思いつめた瞳で見つめている。喉が渇いたらしく、けほんけほんと咳きこんでもいる。
 その子の物欲しげな視線に気づいたOLさんは、
「……飲む?」
「……こっくし」
 OLさんは、女児の口元で、首を、かっくん。
 ぶしゅうううう。
「ごくごくごく」

 ――そこで目覚ましが鳴ってしまったので、女児の表情などは未確認。
 さすがに数分間、寝床で半分起きたまま呆然としておりました。
 ちょっと前に観た、写真家・石川光洋さんを主人公に据えた東京大空襲のドラマや、先日読んだ植草圭之助氏の小説が、その夢のトリガーになったと思われるが――狸の深層心理は、かなり傷んでいるのではないか。


04月15日 火  年老いた狸を大切にしよう

 甘木様からバトンを受け取りました。『このバトンは今貴方が大切に思ってる身内(友達)10人に回してください。このバトンをもらった貴方は回してくれた人から大切に思われてます♪』とのこと。わーい、大切にされちゃったい。……おう、水芭蕉猫様からも。

●貴方の好きな物(人)は?
 蒲団、枕、食品系バッタ屋さん、妄想、ろり。

●送り手の好きな物(人)は?
 甘木様――バイオリンや鉱物や本やアニメ(あとエロゲも少々)。
 水芭蕉猫様――男。いや、男同士のなんかいろいろ、というべきか。

●送り手と出会うキッカケは?
 某小説投稿掲示板。

●送り手の第1印象は?
 甘木様――やたらと好奇心の間口が広い。
 水芭蕉猫様――このような話を書く方と、関わり合いになってはマズイのではないか。

●今の印象は?
 甘木様――やたらと好奇心の間口が曲がりくねっている。
 水芭蕉猫様――もっと多量にずっぷし電波飛ばしまくってくれまいか。

●ずっと身内でいたい?
 お二方とも、ネット身内だけでなく、創作身内としての活動も、もうちょっとお願いします。――なんつって、狸も近頃ちっとも自作更新してないのよなあ。私事ですが、このひと月で1シーン15枚くらいしか進んどらんのよなあ。優子ちゃん未だに凍ったままなのよなあ。甘木さん水芭蕉猫さん代わりに解凍してあげて下さい。

●送り手のいい所
 甘木様――やたらと好奇心の間口が偏向しているので、ときおりどーんと意外なインスピレーションを与えてくれる。
 水芭蕉猫様――電波自体はきわめてアレだが、周波数に乱れがない。受信感度良好なのです。

●送り手の駄目(心配な)所
 お二方とも、若いのに浮いた噂がない。

●メッセージ
 甘木様――いまだにミモレットどころかコッドローも食っていないビンボな狸に愛の手を。地酒可。
 水芭蕉猫様――にゃんにゃんにゃにゃん。

●バトン送る方
 例によって穴の奥にしまいこんでしまいますが、ここをご覧の方々および拙作に感想を下さる方々およびこっそり拙作を読んでくださる方々は、ひとり残らず狸の愛電波を致死量まで浴びてしまっていると覚悟してください。


04月13日 日  桜の木の下では

 図書館で借りた、脚本家・植草圭之助氏の小説『わが青春の黒沢明』に、おそろしく印象的な場面があった。
 作品全体は、氏が小学校時代から親密にしていた黒沢監督との確執(いっしょに『素晴らしき日曜日』や『酔いどれ天使』などの名画を作っていながら、思想や人生においては、180度違った立場のふたりなのである。英雄志向と人民志向の違いとでも言おうか)をメインに据えた私小説で、たいそう興味深い内容なのだけれど、今のところ最も印象的な場面は、黒沢監督とは関わりがない。植草氏が、昭和20年4月13日の山の手大空襲で焼け出され、靖国神社の境内に避難した夜の描写である。炎の照り返しで、赤い薔薇のように異様に染まる満開の桜の下、あちこちの潅木の陰では、多数の男女がひたすら交合していたというのである。以下、原文の一部。

 夫婦なのか愛人同士か、そのどれもが防空頭巾、防空服、もんぺ姿で、性愛の逸楽、愉しさなどの姿態とは程遠かった。なかには年若い恋人らしい二人が、ただ固く抱擁したまま、まるで塑像のように動かぬ一対も、そこ、ここに眼に入った。
 私はとっさに、このような非常なときに、こんな人目の中で、なんと不謹慎な……と心外に思いかけた、がなにか彼らの行為に淫楽、淫靡さが感じられず、明日をも知れぬ、いまをかぎりの思いに追い立てられた人間たちが最期に求め合っている激しい愛の、性のいとなみの相《すがた》なのだ、と思いあたった。
 ぐるりの人たちもほとんど背を向け、卑猥な眼を向ける者もないようであった。
 私はこのおおらかな野合の光景に、なんの脈絡もなく、なぜか古代を、原始を思った。


 ――東京大空襲に関するドキュメントもドラマも多々あるが、こうした人間の光景を描いた作品は、かつて無かったように思う。

 いっしょに借りたビデオ『コスモス』で、久方ぶりに故カール・セーガン氏の宇宙講釈に接する。情報としてはもはや古いのかもしれないが、結局どんな最新理論でも、最終的な宇宙像は「〜らしい」「〜かも」「でもまだわかんない」に帰結してしまうので、セーガン氏のロマンに満ちた語り口は、やっぱり説得力がある。


04月11日 金  腐っているのは誰の頭

 インターネット上に氾濫(はんらん)する児童ポルノに悪用される恐れがあるとして、放送倫理・番組向上機構(BPO)の「放送と青少年に関する委員会」(大日向雅美委員長)は11日、テレビで児童の裸、特に男児の性器を放送しないよう注意喚起した。同日、加盟する134テレビ局へ文書を発送した。
 大日向委員長は入浴中の男児の裸をボカシなしで放送した番組へ批判が寄せられていることなどを挙げ、「もはや男児の全裸がおおらかさ、ほほえましさ、解放感だけを表現するものではないと十分認識すべき」と指摘。実際に悪用されている確証はないもの、予防措置として「同じ内容を伝えるほかの表現方法がないか、慎重に検討してほしい」と呼びかけた。 4月11日20時11分配信 産経新聞


 ……そのうち小便小僧の置物もボカシが入るのかしら。何度も何度もしつこく言ってしまうが、ほっときゃ子供が蹂躙されまくり片っ端から消えてしまうような『先進国』のトンガった対応に、おつきあいする義理はない。それより女児のTバックやTフロントで稼ぎまくる業者や親を、一刻も早く社会的に抹殺してください。

 
東京都立川市の自衛隊官舎で自衛隊のイラク派遣に反対するビラを配った3人が住居侵入罪に問われた事件で、最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は11日、無罪を主張していた3被告の上告を棄却する判決を言い渡した。有罪とした二審・東京高裁判決が確定する。
 第二小法廷は「官舎の管理者の意思に反して立ち入れば、住民の私生活の平穏を侵害する」と指摘。集合住宅でのビラ配りを住居侵入罪に問うことは、憲法が保障する「表現の自由」に反しないとする初判断を示した。
 有罪が確定するのは、市民団体「立川自衛隊監視テント村」のメンバー大洞俊之被告(50)=罰金20万円▽高田幸美被告(34)=同▽大西章寛被告(34)=罰金10万円。自衛隊のイラク派遣の是非が問題となっていた時期の04年1月と2月の2回にわたり、「自衛隊のイラク派兵反対!」などとしたビラを官舎各室の新聞受けに入れようと敷地に入った。
 第二小法廷は、塀などで囲われた官舎の敷地や各戸の玄関前までは、自衛隊側が管理していると指摘。関係者以外の立ち入りを禁じる表示があったことや、3人が立ち入ってビラを配るたびに被害届が出ていたことなどから、無断で立ち入ることは管理権者の意思に反し、被害の程度も軽くないと述べた。
 「表現の自由」については、「無制限に保障されるものではなく、公共の福祉のために必要かつ合理的な制限を受ける」とした過去の最高裁判例を踏襲。「表現そのもの」でなく表現の手段を処罰する今回のケースは、憲法に反しないと結論づけた。
 3人は04年2月に逮捕され、5月まで勾留(こうりゅう)が続いた。一審・東京地裁八王子支部は04年12月、政治ビラの配布について「民主主義の根幹を成し、商業ビラより優越的な地位が認められる」と指摘、刑事罰を科すほどの違法性はないとして無罪とした。二審・東京高裁は05年12月に「管理者の意思に反して立ち入ってはならない」として逆転有罪にした。 2008年04月11日15時21分 アサヒ・コム


 ……まあ妥当といえば妥当な判決なのだけれど、じゃあ狸穴の郵便受けにいつも大量のうざったいチラシ(違法エロ含む)を放りこんで行くバイト君を警察に通報したら、きちんと逮捕して裁判やって首謀者を罰金刑に処してくれるんでしょうかね。そこんとこ、よろしく。


04月09日 水  続・三丁目の夕日論議

 まあ論議などという大げさな話ではなく、職場でたまたま映画『続・三丁目の夕日』が話題になって、けっこう真剣な邦画好きの方々にも違った意見があるのだなあ、とあらためて感慨を覚えた。
 たとえば狸は、以前も記したように全体的には間違いなく良作だと思うが、香具師とチンピラと詐欺師をいっしょくたにしてしまったような『絶対にありえない小悪党』の設定は、ライターさんが原作のあちこちをいいかげんに(無理に)繋いだだけか、あるいは単なる不勉強(香具師の知識がない)であり、あの作品の最も大きな穴に思われた。しかしそのあたりは、巷でも職場(けっこう狸以上のオヤジもいるのだが)でも、ほとんど気にする方はいなかったようだ。
 風物CGに関しては、これがほんとうに見る側の好みによって正反対の反応で、日本橋や羽田の再現は、あまりに自然過ぎて華がなくてつまらないという意見もあれば、狸同様よくあそこまで自然な空気感が出せたものだと感心する方もいる。
 さて、議論の中で最も白熱(といってもあくまで休憩中のダラダラ話レベル)したのは、クライマックスの要となる、茶川さんが書いた芥川賞候補作品の内容および文章があまりにアマアマでベタで、あんなシロモノが芥川賞候補に残るはずがねーだろう――そんな意見である。これは、巷でもけっこう批判された箇所だ。まあ狸としても、仮にも小説を志す身、お説ごもっともと言うべきところなのだろうが――これがなかなか微妙な問題なのですね。
 そもそも、この映画自体、芥川賞受賞作品を文学として吟味するような観客を対象として想定されたものではない。逆に昭和30年代初頭の受賞作品っぽい文体を生真面目に再現したりしてしまったら、観客の大半にはかえってピンとこないだろう。たとえば映画『タイタニック』のベタベタな単純人間群を、いちいち複雑に掘り下げてしまったら、それは確かに名画にはなるだろうが、早い話が客の入りはケタひとつ落ちてしまう。小学生から半ボケのお年寄りまで誰にでも理解できる人間描写だったからこそ、あそこまで客が入ったわけである。
 ならば、狸の気にする香具師の世界なんてのは一般の方々にはどーでもいい問題なのだから、茶川さんの小説同様、適当に見流すべきではないのか。――否、である。『タイタニック』だって、誰も気にしないような風俗の作り込みにキャメロンがおたくの意地を通し尽くしたからこそ、あのベタなラブラブ話が気持ちよく成立しているのである。
 おたくには、確信犯は許されても、過失犯は許されない。まあたいがいの人は、ほとんど気にしないんですけどね。


04月05日 土  櫻風

 花見に遠出する予算は一銭もないが、私鉄でふたつ先の街の真間川付近に『桜土手公園』と呼ばれる道がある。あくまで『公園』というより『道』であり、かつては真間川に流れこむ用水路の土手だったそうだが、今は住宅街の道沿いにえんえんと続く、遊具やベンチの散在する遊歩道といった感じだ。それでも400メートル続く桜並木は、サミしい狸の花見散策には好適で、狸穴からチャリで真間川をたどり、花びらの舞う道を何度か行ったり来たり、ベンチで煙草を吸ったり、途中で買っておいた89円の輸入発泡酒を飲みながらチーカマをかじったり。

 久々に借りたエロゲは、(有)草薙の背景画があいかわらず空気感たっぷりで、音楽もなかなかいいムードなのだが、話自体は残念ながらちっとも盛り上がらず、といっていわゆる『癒し系』の演出も中途半端。しかし背景画と音楽だけでも充分精神が和むので、これはこれでいいのかもしれない。
 ところで背景を(有)草薙が担当したゲームをやるといつも思うのだが、クリア後のCG閲覧モードに、下手なエロ絵だけでなく、背景画もきちんと収録してくれまいか。言っちゃあなんだが、背景と音楽だけ垂れ流しにしてほしいような作品も、多いですもんね。いや、『なつぽち』がそこまでひどいわけではないが。


04月02日 水  狸の訂正

 すみません。聞き間違ってました。臭うのは皮というより『毛皮』らしいです。つまり、サバく時にどうしても毛の臭いが肉に移ってしまうので、それを極力避けるのがコツだそうです。ちなみに煮るよりも焼いたほうが、よりクセを感じないとのこと。従って初心者(?)の方は、狸汁よりは焼肉がお薦め、とゆーことですね。ちなみにバニラダヌキは毎晩入浴するのでさほど臭いませんから、サシミやタタキでもいけると思われます。
 なお兎さんに関しては、確かに臭みはないけれど狸よりスジっぽいので、焼くよりも、よっくと煮こんだほうがおいしいそうです。
 しかし――なんの会社に行ってるんだ狸は。今日は『なつぽち』というエロゲまで借りてしまった。なんか椎名高志っぽいと聞いたので。
 前の会社もそうでしたが、山男やおたくって、どこにでもおりますね。特にムサいチョンガーの多い職場は。


04月01日 火  正しい狸の食べ方

 本日はエイプリル・フールですが、嘘ではありません。ビンボな空腹時、たまたま狸が通りかかったときのために、正しい知識を。ただし職場の山男さんからの伝聞ですので、文責はそっちにあります。
 狸の肉は臭くて食えない、旨いのは狸ではなくアナグマだ、いや何日か寝かせれば狸も食える、いやいやサバきたてでもなかなか旨いものだ――巷では種々の情報が錯綜しておりますが、問題はどうやら肉そのものよりも、皮の剥ぎ方にあるようです。肉よりも皮が臭うらしいのですね。したがって狸をおいしくいただくポイントは、皮の臭いが肉に移らないように注意しながらイッキにムく、と、そーゆーことらしいです。
 まあそうした一手間が面倒だという方は、狸ではなく兎さんがお薦め。肉の味そのものは狸のほうがいいが、兎さんは適当にムいても臭くないとのこと。
 以上、家の近所に狸や野兎が豊富な方は、ぜひ一度お試しください