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02月28日 日  心象風景


               

 ……拾いでスマソ。

 しかし金網の外に、本当に自由はあるのか。
 とうとう200万を割ってしまった昨年度の狸の年収とゆーものは、はたして檻の内なのか、あるいは檻の外なのか――なんの話をしているのだ恥ずかしいなあもう50面下げてよう。
 まあ、考えてみりゃ、病気でふた月近く働いてなかったんですもんね。おまけにその後は日雇い暮らし。
 でも、その金網から突きだした鼻の先こそが、ここの表にあるような法螺話に化けるわけだから、檻にだって意味はあるに違いない。



02月26日 金  日和見狸

 昨夜というか本日というか、昔いっぺんひどい目に合って二度と行くまいと思った冷凍倉庫に、やむをえず夜勤に出た。そこしか空いていなかったし、時給は悪くないのである。まあ、またバカだのアホだの罵られ尽くすのも餓死するよりはマシ――そう覚悟して出かけたら、あにはからんや、今回罵られ尽くしたのは、かわいそうに別の若い衆でした。
 前回は機関銃のような罵詈雑言に目がくらんで気づかなかったが、要は、ひとりを捨て駒にして、残り全員を常に緊張状態に置くという、最も安直な現場のシメ方なのですね。かわいそうなのはイジメラレ役を割り振られた若い衆である。きっと日雇いの中でも、いちばん気の弱そうな奴を選ぶのだろうなあ。プッツンされたら逆効果ですもんね。だから前回は、根っから惰弱そうに見える狸だったのだろう。
 まあ、世の中、こんなもんこんなもん。しょせん人の心など、うわべからしか計れない。

     ◇          ◇

 さて、女子フィギュアのフリー演技である。
 まあオリンピックでメダルを争うくらいになると優劣というより個性の差だから、狸親爺としては、ただひたすら「なまんだぶなまんだぶなまんだぶ」と拝ませてもらうだけである。
 でも、あえて狸的に順位を付けるとすれば、キムちゃんも真央ちゃんもスキが無さ過ぎて、狸としては今一歩ハシャげなかったりする。ありがたすぎるのですね。
 よって狸印の金メダルは、カナダのジョアニーさんに決定。お顔のキツさを補って余りあるあのすばらしいお尻は、さすが20代も半ばに達した女性ならではの豊饒さと程の良さである。
 で、銅メダルは、アメリカ産日本人の未来ちゃんですね。理由は、狸をご存知の方ならばとっくにバレてますね。なんたって16歳ですもん。ついこないだまでU15ですもん。演技も、ジョアニーさんの対極とも言うべきジュニアのイキの良さというか、まあなんかすっごくオリンピックなんだけどもアタシとしてはもー楽しくて楽しくてしょーがないからさあみんないっしょに楽しくハシャごうよ、そんなハッピーなオーラが横溢していた。
 残りの銅メダルは、ミキティーにあげちゃおう。狸の姪っ子になんとなく似てるし、同い年だし。

 ……スポーツというものをシビアにとらえている方には怒られるかもしれないが、じゃあなんで今回のバイアスロンの結果を、誰一人として問題視しないのか。
 どうでIOC主宰の営利イベントのこと、和やかに愉しむのが吉。


02月23日 火  民主党寄席(ゲストも活躍)

 小沢氏に近い議員の1人である民主党の川上義博参議院議員は、22日、自身のパーティーで次のように述べました。
「どうも若い議員が自由に、ものを言えない。(小沢氏に)批判めいたことを言うと、飛ばされるんじゃないかという誤解があるのでは」(民主党・川上義博参院議員)
「言いたいことを自由に言える民主党になるべきだ」と訴えたところ、パーティーは、まさに言いたい放題の展開となりました。
「鳥取県とか島根県と言ったら日本のチベットみたいなもの。まあ、そう言うと少し語弊があるかもわかりません。人が住んでるのか、牛が多いのか」(民主党・石井一選対委員長)
 会場から「失礼だ」という声も上がったこの発言に、鳥取県選出の川上氏は怒っているかと思いきや、
「鳥取、島根の人は度量が広いからそんなに怒らないと思うんだけど、チベットの人がどうかな。チベットの方が心配」(川上義博参院議員)
 鳥取、島根の人以上に、チベットの人がどう思うかと心配していました。
 一方、パーティーは、それだけでは終わりませんでした。日本に永住する外国人に地方参政権を与える法案について、
「地方参政権。やはりなぜやってるかって言ったら、マイノリティー(少数者)の皆さんのために 政治があるんじゃないですか。そういう人たちに、なんで地方の参政権を与えることが反対なんですか」(川上義博参院議員)
 法案の実現を目指してきた川上氏が「内閣が法案を提出しないなら、議員立法で提出してがんがん議論する」と述べたのに対し、その後、挨拶に立った国民新党の亀井代表は、
「なんかいらんことまで言ってるね。(外国人の地方)参政権賛成だとか、私はこれだけは賛成しませんから」(国民新党・亀井静香代表)
 目の前で、「賛成しない」と断言しました。
「巨大な民主党といえども、これをごり押しして成立させることは絶対できません。亀井静香1人が反対したらできないです。これは」(亀井静香代表)
「昔、賛成って言った」(川上義博参院議員)
「言ったことねえ」(亀井静香代表)
 さらに話題は進み、
「夫婦別姓はどうなんだ」(亀井静香代表)
「ここであまりそれを言うなって」(石井一選対委員長)
「夫婦別姓に賛成」(川上義博参院議員)
「来るんじゃなかったなあ、これ。それやったら、一家の入り口の表札さ、アパートみたいになっちゃうよ」(亀井静香代表)


 ――以上、本日のTBSニュースより。
 ああ、なんか寄席の大喜利みたいで、いいですね。政治家がテレビカメラがあると承知でくっちゃべってるんじゃなければ。まあ、亀井さんには、がんばっていただきたいものです。ところで亀井さんも、短期間だが鳥取で警察のオエライさんやってたことがあるはずなので、チベットに関しても一言ほしかったところである。
 ちなみに狸としては、夫婦別姓は可、外国人地方参政権は不可、チベット発言はなんぼなんでもネタが古すぎだろう、そんなとこです。島根も鳥取もチベットも、文化的には東京や千葉より、狸が住みやすそうな気がしたり(仕事さえあれば)。

     ◇          ◇

 本日はおとなしく狸穴でお勉強。通信教育分のレポート、三回目まで送付。あと二回出したら、実習が始まるわけである。子供の頃、父親や母親と、寝たきりの祖母を抱えて風呂に入れてやっていた頃に比べれば、ずいぶん世間の介護テクは進化したようだ。でも結局、人と人との縁起ですからね、精神的には荊の道っぽい。そこいらの感覚を薄々悟っていればこそ、中・高卒の就職難民たちも、人手不足の介護現場にだけは応募しないのだろう。そのかわり、人余りの流通業なんかには、せっせと応募して落ちているらしい。
 古狸にしてみれば、近頃とみに増加しつつある正気の顔した五体満足のモンスター客より、寝たきり呆け老人のほうが、まだまっとうな狸仲間に思えるんですけどね。
 ――なんて、子供の頃は心底忌避したがってた奴が、偉そうによく言うもんだ。すみませんすみません。狸が生涯偽善者を志したのは、ほんの数年前です。


02月22日 月  ねばりとり

 さて、暗いのが昼で明るいのが夜なんだか、いつ寝ていいんだか寝ちゃいけないんだか、すっかり体内時計のぶっ壊れた狸なのだが、どうやら明日はアブレのようである。
 で、ようやく、パソのフリーズを避ける手段が見つかった。XP起動後インターネットエクスプローラーを絶対に立ち上げない、それだけなのである。一度でも立ち上げてしまうと、閉じてからもなんじゃやら背後で暗躍し続け、気まぐれにシステム自体を道連れにして固まってしまう。エディタやフォトショが固まったとき、例の『Ctrl』+『Alt』+『Delete』で状況を調べると、いつなんどきでも『iexplorer.exe』がピクピクと活動しており強制終了も拒否されるので、ああ、またいつものie病であったか、と推測したのだが、どうやら正解っぽい。やはり自動アップデートでセキュリティー関係の何かをいじられ、狸の得体の知れない古アプリの何かと競合してしまったのだろう。しかしもはやこうなると、マイクロソフト自体に悪意のウィルスを仕込まれてるような気もしてくる。「いつまでも古いOSやIE使ってないで、ほれほれ最新版を買いやがれ。世界経済復活のためにアプリも今すぐぜーんぶ最新版にするんだこの貧乏人め」とか。しかしその最新版自体、ハードごと買い換えないと、ろくなことがないんだよなあ。
 たとえば未だに記憶に焼き付いているのは、あまりの脆弱さに怒りを通りこして一部で憐憫され、『駄目っ子萌えOS』として逆に愛玩されたりしてしまった『Windows Me』、あれのアップデート版とか。まあ確かに、当時の発展途上のハード上で、けなげに最新の機能を実行しようとちょこまか奮闘しながら、しょっちゅう蹴躓いてすっ転んでひんひん悶絶したりするありさまは、なんか一種『たかちゃん的』というか『ゆうこちゃん的』というか、狸の父性本能をも著しくくすぐるものではあった。しかしあくまでOSなのだから、望むべきは、些細な躓きなど気にもとめず己の道を驀進し、内なる障碍も外からの不埒物も片っ端から血祭りに上げてしまうような『くにこちゃん的』環境である。
 最新のハードと『Windows7』の取り合わせなら、なんぼか『くにこちゃん的』になるのだろうか。買えないけど。

 ところで、たかちゃんトリオをご存知ない方には、今回の比喩、なんの話かさっぱりわかりませんね。すみませんすみません。


02月20日 土  アホの記事

【時事ドットコム】
 18日のスケルトン女子で、小室希(仙台大大学院)が滑走前に失格した。使用そりに、国際ボブスレー・トボガニング連盟(FIBT)の規格検査をクリアしたことを示す認定ステッカーがなかった。五輪に挑むにはお粗末過ぎる管理体制が招いた失態だった。
 競技開始35分前の検査で発覚した。そり自体は認定されていたもので、W杯参戦中はシールが張られていた。だが、高橋宏臣監督らによると、本人が誤ってはがしたという。規制がある五輪ではスポンサー関係の広告類は付けられない。一緒にはがしてしまったとみられている。
 軽率な小室の行為だが、チームの緊張感も欠けている。ステッカーは日本出発前にはがされていたのに、現地での公式練習中も誰一人気付かなければ、確認もしなかった。同監督は「わたしの落ち度」と頭を下げ、小室は泣きじゃくったが、同情の余地は少ない。女子の出場は1人。小室に代表の座を譲ったライバルも無念だろう。
 同じそり競技のリュージュでも安田文(北海道連盟)が重量超過違反で失格した。これも、管理が行き届いていれば、容易に防げたミスだった。行政刷新会議の「事業仕分け」で、ボブスレーとともに強化補助費削減の対象に名指しで挙がり、危機意識があって普通なのに、最も存在感を示す場の五輪でこれでは、先行きは暗い。
 男子のベテラン越和宏は厳しい言葉とともに、「人間が成長するいいチャンス」とも言った。だが、汗水流した4年間の努力は戻ってこない。(2010/02/19-19:23)


 ――さて、この記事に関して、いちばんアホなのが誰か、狸としてきっぱり断言させていただきますと、ズバリ、この記事書いた記者ですね。
 まあ選手たち自身もオマヌケだったのは確かだが、別に気を抜いていてうっかりしたのではなく、眥決してハイになっていたからこその大ポカだろう。いっぽう、訳知り顔にこんな記事を書くインテリきどりのクソ野郎に違いない記者は、この一事によって『汗水流した4年間の努力』がどっかに行っちまったと断定しているわけである。
 馬鹿が。人生の中のいっときでも、ひとかけらの努力でも、報われようと報われまいと、どっかに消えたりしてたまるものか。いかにも管理社会のエリート競争を勝ち抜いて、こーゆー記事を発表できる立場になった鼻持ちならないクソインテリ野郎の、結果オーライ感性である。『小室は泣きじゃくったが、同情の余地は少ない。女子の出場は1人。小室に代表の座を譲ったライバルも無念だろう。』と来た日にゃ、この記者がもし狸の目の前でこんな記事を書いていたら、思わずバールのようなもので撲殺して、念のため息を確認して、まだ生きてたら力いっぱい数度にわたりトドメをさして、確実な前科一犯を目ざすだろう。
 対して越和宏という方は、狸はちっとも知らないが、さすがベテランらしくキメておりますね。まさに「人間が成長するいいチャンス」。これに負けるか吹っ切るか、それが長い長い人生とゆーものだ。アホ記者も、そこでシメてりゃ全国に恥を晒さずにすんだろうになあ。たとえメダル取ったって、その後人間のクズに堕ちてしまった選手が、どんだけいることか。

 えーと、今回の冬季オリンピックに関しましては、バイアスロンの自衛隊のおふたりがちょっと小粒だったので、やや御機嫌ななめの狸です。ボブスレーと違って軍人の戦闘訓練なんだから、もうちょっと粘ってもらわんとなあ。まあ、同じ人類でもガタイの違う北方亜種の狩猟民族と、雪山で鉄砲勝負するのは確かに無理があるのだろうが。
 この無念、女子フィギュアスケートで口直しの予定なのだが、いかに。


02月19日 金  ややねば

 ああ、くたびれた。たった2日でも気ままに過ごした後だと、右往左往する倉庫作業は腰に来る。しかし精神的には、かえって楽なのですね。昨日はいちんち打鍵とパソの粘り取りで過ごしたが、どっちも精神的にはくたびれる。まあ打鍵のほうは、区切りがつけば楽しい疲労感に変わるのだけれど、パソの手入れはひたすらうっちゃーしく、徒労感しか残らない。別に何が快適になるわけでもなく、元に戻る、いや、元に近づくだけだ。
 ともあれ、動きの怪しげなドライバやソフトを片っ端から入れ直したら、なんぼか動きがまともになった。XP自体が起動時や終了時に固まったりするのは、もう放置。今さらOSの再インストールなど、している余裕はない。ハード的な異常はなさそうだから、たぶんこのところの強引なリセット続きで、どっかのなんだかよくわからないシステム上のデータが壊れているのだろう。もういいです。安らかにお眠りください。でも病気んとこだけね。エディタとフォトショとメールとネットくらいは、今後も力尽きるまで、狸といっしょに生き続けてほしいものである。

 ところで、万一に備えてパソ自体の中古相場を見てみたら、今使ってる程度の物件なら、数千円でなんとかなっちゃうのね。最新型だって、たったの数万円である(買えないが)。しかし最新型のクロック数だのメモリ量だの見ていると、いってーなんのためにそんな過剰性能がいるのおまいら、などと、つい失笑してしまう。
 まあ、これから新品を買いたい人はそれを買うしかないわけだし、今どきのクソ重たいビジネスソフトだの、びゅんびゅんぐりぐり動き回るぞどーだ見てるだけですげーだろうでも中身は例によって例の如くだから馬鹿でも楽しめるぞ的な3Dゲームだの、幼児を甘やかしまくる馬鹿っ母のような痒いところに手の届く凝りに凝ったシステムのエロゲーなどを快適に動かすためには、無限のハイテクも必要なのだろう。
 ソフト自体が自分に必要かどうかとは、無関係ですもんね。


02月17日 水  ろりこんしすこん

 さあて2連休だ。勝手に2連休だ。連日(たった4連チャンだが)ひたすら動き回って残業もそれなりにやったから、死なないためには休息も必要だわな。さあて、打つぞ学ぶぞ。
 などと言いつつ午後遅くまで寝床で狸寝入りを決めこんでいたところへ、姉から多少の援助物資とともに、例のお古のデジカメが届いてしまった。それはもう発展途上国で売れそうにピカピカと輝く乾電池仕様、フジのファインピクスA900である。調べてみたら、もうデジカメおたくの方々にはケチョンケチョン、貧乏人用の使い捨てカメラ呼ばわりされていたようですね。でも狸はこれでも写真屋さん(ただし失業中)である。使い捨てカメラというものが、スパコンなどものともしないほどのハイパーテクノロジーのカタマリであることを、よっくと理解しております。周辺画質の流れなど、ハイテクと『無料』の前では屁でもない。――こないだ言ってたことと、ぜんぜん違うやんけ。ことほどさように『無料』ということは至高なのである。
 で、「おや? なんか打ったり学んだりするんじゃなかったの?」という天使狸の忠言は当然のごとくきれいさっぱりちょっとこっちに置いといて、「お、ちょうど小学校の下校時刻だ! さあ行け!」などという悪魔狸の誘惑に従い、ドンヨリ曇天の悪条件のもと、望遠撮影に挑んだりする。なんと4倍ズームなのである(なんだ今どき4倍かよ、とツッこんではいけません。無料の古物だもの)。
 まあプリントのほうは一応商売人でも、撮影はただのドシロウトなので、道行くろりに向かって闇雲に、ただし通報されない程度にシャッターを切るだけなのだが、おお、さすがは900万画素の最高ISO感度800物件(なんだ今どき800かよ――以下略)、立派に使い物になるのである。そりゃそーだ。画面の四隅にろりを写すわけではないし、あいかわらず粘るパソでも、縮小かければ流れなんて判別不可能。
 ああ、やはり人生で持つべきものは、物くるる姉なのであった。ついでに新しいパソもくれないかしら。

               

 さて、その好意に報いるためにも、あとはしっかり打って――その前に学んだり働いたりするほうが先だと思うが、どうか。


02月15日 月  ねばるんです

 あいかわらずパソ不調が続く。致命的な事態には至らないものの、とにかく何をやっていても動作が納豆のように粘るので、よっくとかんまわしてからご飯にのっけて食べると、とってもおいしい。……はずねーだろ、おい。
 ともあれ、日銭仕事にあぶれない限り、パソに向かう時間は限られる。以前は打鍵の途中でも、ちょっと詰まるとすぐにネットに逃避してついつい遊びほうけていたが、そのネットがもはやねとねとなので、まだしも軽いエディタをいじくっていたほうが精神的にいい。おかげさまで、今週中には例のジャスミン物件の次回が更新できそうだ。
 などと言いつつ、毎日ネットで覗きたいところも多々あるので、「うみゅみゅみゅみゅう」などと体をくねらせながら日々粘りに耐えていると、とにかく近頃種々のページにてんこもりの動画による広告、あれがうざくてうざくてうざくてうざくて仕方がない。なにせ、ほとんどの情報が表示されたかに思えても、画面のいちばん上のほうにいちばん粘る広告スペースが配置されていたりして、それが最後に出終わるまで、スクロールできないのである。ただでさえイラついているところへ、「イラっときたらどうのこうの」などというジャストシステムの広告で、見たくもない中年野郎のイラついてる顔が、最後の最後に登場するのである。くそくそこいつが俺の邪魔をしていたのだと、長年使い慣れたATOKを思わず放擲したくなったりもする。まあ、別に他の会社の広告が入っても、同じ粘度なのだろうが。

 話は違うが、近頃の狸にとって、テレビでもネットでも、その広告によって欲しくなる商品よりは、その会社の製品を二度と使いたくなくなるタイプの広告が過半数を占めるわけだが、これは単にお金がなくて買えないもののヒガミなのだろうか。だとすると、歴史上の革命は、すべてヒガミによって起こるという真理が実感される。正直、こんな愚劣なモノばっかりはびこる社会なんて、いっぺんリセットしたほうが後世のためだと思いますもん。
 ……うう、荒んでいる。
 いけないいけない。
 荒んだ狸は、醜い物にしか化けられない。
 自分とゆー狸だけは、愚劣な世の中なんざコンクリ詰めにして東京湾の底に沈めてしまうような、美しくて面白い、なんだかよくわからないモノに化けてやるのだ。


02月13日 土  自動アップダウン

 マイクロソフトが、またまたなんかスゴイことをやらかしてくれたようだ。2月9日の自動アップデートで、パソ環境によっては二度と立ち上がらなくなるようなセキュリティー更新プログラムを配布してしまったらしい。
 実は狸のXPも、例の『死のブルースクリーン』こそ出ないものの、ここ何日かラリっている。正しい終了操作をしても勝手に再起動して、そのたんびに『システムは致命的な問題から復旧しました』とゆーよーなメッセージが出る。インターネットエクスプローラーやフォトショップといった、もともと重いソフトはますます重くなり、なんの前ぶれもなく『応答なし』でかたまる。しまいにゃ愛用のO’sエディタまでフリーズする。円満な再起動はいっさい受け付けないので、パソ本体のリセットボタンを押すしかない。まあいっぺんリセットすりゃ、寝るまではまた続けて使えるんですけどね。
 それが自動アップデートのためかどうかは無知な狸の知る限りではないが、問題は、狸がこの事態に関して「わっはっは、またやってくれたのかな、窓の人」などと、すっかり投げてしまっている点にある。

 ●一日一度は再起動
 ●半期に一度は再インストール
 ●新バージョンのインターネットエクスプローラーは絶対導入禁止

 とまあ、そんな95の頃からウィンドウズを使い続けていれば、確かに忍耐力だけは鍛えられますね。
 幸い現在、食うためにパソを使うわけではないので、いざとなったら10年以上前のノートで、ネット以外はなんとかなるし。


02月11日 木  馬鹿の死ぬ確率

 世間様のお休みとはまったく無関係に、本日は建国を記念して、倉庫内でうろちょろ。別になんにも記念しなくとも、先様の都合次第で、うろちょろなんですけどね。しかし明日は休みになりそうだ。あ、ちょうど良かった。血圧の薬が明日で切れるんだよな。病院に行かねば。

 狸穴には血圧計などという文明の利器がないので、ひと月に一度しか把握できないのだけれど、一応130以下で落ち着いているようだ。体重は71〜2キロ、腹回りも88で安定してしまったので、これ以上必死こいてダイエットしない限り、生涯降圧剤を飲み続けることになるのだろう。まあ、お医者が飲めと言うのだから、すなおに飲み続けよう。
 ところで、どうも『メタボ』という概念は、やっぱり眉唾だったようだ。腹回り何十センチ以上は危険、などという画一的なデータは、結局出てこないのだそうだ。大山鳴動して健康関連業者および一部の医者を稼がせたのみ。そりゃ引き締まった体育会系の方だって、しよっちゅう心臓病や癌を患っているわけだし。狸にしても、しつこいようだが80キロ弱の頃のほうが、明らかに持久力も気力も今より充実していた。それでも今日明日ポックリ逝く確率は確実に減ったのだ、と医者は言うが、必ずしもリスクとバッドエンドが直結するわけではない。この世の不確定性は永遠に変わらない。
 まあ、いいや。今日でも明日でも、死ぬまではのたのたと化け修行に励みましょう。狸だもの。

 ところで、英国で『IQの低い人間ほど心臓病で死ぬ確率が高い』などというデータが発表されたそうだ。
 え!? マジ!? と驚愕して記事の続きを読み、思わず大笑いしてしまった。原因は、頭の悪い人間は合理的な思考が苦手で、欲にまかせて過食したり喫煙を続けたりしがちだからではないか、などと書かれているのである。
 わっはっは。ちげーよ。IQの高い人間の下で、体ばっかし使わされるからだよ。
 もっとも、そのデータ自体がどこまで正確なものか、眉唾なんですけどね。


02月09日 火  悲喜悲喜

 悲しいのは、去年ヤフオクで入手したニコンのデジカメが、早くも動作しなくなったこと。まあ数年前の300万画素、それも1000円ポッキリのジャンクもどきとはいえ、配送料を含めれば1600いくらの投資をしたので、やっぱり悔しい。そんだけあれば、豚めしが5杯半は食えるのである。で、嬉しいのは、姉から古いデジカメをもらえることになったこと。いきなし900万画素、当社比、じゃねーや、フジの製品なので他社比3倍の画質アップ!
 ところが、どんなに素晴らしい画質のブツが手にはいるのかと、受け取るのを待てずに機種名を聞いて、ネットで実写画像をあちこち拝見したところ――ありゃ、こんなもんか? いや、画面の大半は当然画素が上がったぶんだけ情報量が増えているのだが、画像の四隅は壮絶に流れまくりである。3年前に新品で買ったときも1万円台の物件と聞いたから、最安価帯のいわばバカチョンカメラ、そうそうレンズにコストはかけられないのは解るが、なんか悔しいので他社の最安価機種の画質も調べてみたら――わははは、やっぱりどこも、周辺画質は流れまくりなのであった。まあそうした機種を選択する方々は、いちいち画面の四隅までしつこく検めたりはしないだろうが、ふと思えば銀塩フィルム華やかなりし頃のバカチョンカメラ(使い捨てカメラが蔓延する以前の)が、いかに優れた光学機器であったか、改めて懐旧に浸ったりもする。
 まあ、ミノックスフィルムよりもちっこいCCDに3倍のズームレンズくっつけて、たった1万円台で製造してしまうのだから、画像の大半でこれだけ緻密な情報を記録できるのは、まさに最先端技術の驚異なのだろう。思えば壊れたニコンの製品だって、狸が退社した年には実売3万円前後だったのだから、レンズに周辺ボケがないのは当然なのである。
 しかしなあ。たとえば横町のおかみさんが赤ん坊ひっちょってオリンパスペンで写した昭和30年代の手札判のプリントだって、そうそう四隅が流れたりはしなかったはずだよなあ。やっぱり最先端マスプロ技術に、昔の光学職人たちの意地を期待してはいけないのかなあ。

 えーと、念のため。以上の話はあくまで古カメおたくの画質基準による話であって、実用的なレベルの話ではありません。今どきフォトショや最新プリンターがあれば、隅っこの流れなんてちっとも判別できない大伸ばしが可能です。


02月07日 日  3Dストレイカー司令官

 ここの表に立体写真を載せたりするだけあって、狸はコテコテの立体写真(ステレオ写真)おたくである。
 その趣味が、幼時にハマったステレオ写真玩具『ビューマスター』に由来するものであることは、以前にも書いた気がする。
 で、換金性のあるステレオ写真関係機材などは、ここウン年の貧窮の内に、すでに九割九分、新宿のアルプス堂で売り払ってしまったが、『ビューマスター』関係物件だけは、大事に保管してある。なんとなれば、それこそeBayのオークションにでも出さない限り、日本ではまともな金額にならないからだ。
 で、ビンボな現在、新しい物件を購う余裕もなく、徒然なるままにネットで世界各国の愛好者のHPを覗かせていただいたりしているのだが――このつど、こんなマニアックなページを見つけてしまいました。『謎の円盤UFO』のリールの、完全スキャン。うわあ、ストレイカー司令官から中尉からムーンベースからインターセプターから、ちゃんと立体だぜ。特撮おたくとビューマスターおたくの為せる技である。
 と言っても海外では、ビューマスターは古来から連綿と続く同一フォーマットの光学玩具として、立派にホビーの1ジャンルを形成しているから、このリールも大量に販売されたのだろうが、それをいちいちスキャンしてこうしたページに構成する、その努力に頭が下がるのである。まあ最近の『アバター』やら、緻密な3D動画映像の比ではなかろうが、元のリールを専用ビューアーで覗けばもっと鮮明だし、カメラやキャラがこれ見よがしに激動しないぶん、覗く側の子供(いや大人でも)の脳内イメージは、無限に脹らむのである。

 実は狸も、以前、ここの表のために手持ちのリールをスキャンしようと試みたのだが、あまりの面倒くささに途中で投げてしまった経験がある。スキャン自体は簡単なのだが、それを左右並べて快適に立体視できるように調整するには、あまりに数が多すぎるのである。
 ちなみに、下の画像が、ビューマスター版『ハイジ』(たぶん1960年代の作)の、最初の一齣だったりします。これの原版を、狸秘蔵のD型ビューアーで覗いたりすると、フィルムがコダクローム(昨年ついに74年の歴史を閉じた、米コダック独自の外式リバーサルフィルム。40年前のリールでも変色しない。理論的には100年たってもOK)ゆえ、逆に新しいネガポジ量産リール(十数年で確実に変色する)より遙かに緻密で鮮明、もはやアルプス気分なのですね。

           


02月05日 金  〜ながら

 本日は定時で早々と仕事終了。うう、日銭が余分に稼げない。
 帰宅後、自作をチェックしているうち、『〜ながら』がやたら多い気がして、テキストエディタで検索してみた。やはり多かった。まあ日本語として間違っているわけではないが、目に余るところは、ちょっとでも減らしてみる。あさっての仕事の口に関して、派遣会社からの連絡を待ちながら。

『〜しながら〜する』のに、やや疲れぎみ。いや、日雇いにおいても狸穴においても。
 ただ一日、ぽちぽち打鍵だけしてればいい。ただ一日、ぼーっと録画物件観てりゃいい。――そんなんで一生を過ごせるところが、天国や極楽なのだろう。
 つまり、死ぬまでは絶対そこに行けないのが、天国や極楽なのだな。


02月04日 木  シャブじゃないのね

 わーい、休みだ休みだ。無給休暇だ。……しつこいようだが、アブれたとも言う。

 例によって昨夜は徹夜。と言うより、日曜以来睡眠ペースがワヤになってしまい、寝なかったり12時間寝たり2時間だけ寝たり、このところ無茶苦茶なのである。
 朝から、お外はよさげに寒そうな晴天だったが、出かける金はない。でもやることはなんぼでもある。通信講座のテキストを進めたり、打鍵物をちまちま磨いたり(すでに投稿した部分を、まだいじくっているのである。未練なのねえ。でもこれがアマの特権だからな)。

 昼過ぎに、クロネコヤマトのおばさんが、ホンコン発のヤクを届けに来た。待ちに待ったシャブである。――違う。例の某氏からの逆餞別、アドラフィニルである。
 ちょうど眠くなっていたところだったので、これはジャストに届いてくれたと、さっそく一錠服用してみた。昼過ぎに寝てしまうと、夜中に目覚めるのが目に見えている。明日の起床予定は6時だから、夜までは起きていたい。
 さて、そのシャブもどきの、効能はと申しますと――はい、単なる『目覚まし薬』なのでした。ハイにもならなければシヤワセにもならない。特に元気にもならない。いっとき睡魔が去って『フツーに』なるだけなのですね。効いていたのは、4〜5時間くらいか。なるほど、あのやかましい我が日本のお上も、取り締まらないわけである。字義的には立派な『覚醒剤』だが、残念ながら『覚醒剤取締法』に触れるような、イケイケ物件ではない。もともとおフランスでナルコレプシーの薬として開発されたらしいから、当然と言えば当然か。もっとも、同じような化学構造の『モダフィニル』という奴は、あんまり効き過ぎるので向精神薬扱いになったそうだ。そっちは米軍がパイロットをこき使うのにも使用されているらしい。
 ともあれカフェイン剤をしこたま飲んだ時のような、かえって神経がツンツンとトンがって目が血走ってイライラして往生するようなこともなく、夕方まで、しごくフツーの覚醒状態が続いた。のほほん狸が稀に体験できる深夜トリップ状態のような、脳内麻薬はちっとも出ない。噂に聞く『リタリン』などとは、本質が違うようだ。鬱のときに飲んでも、鬱のまんま起きている時間が増えるだけだろう。

 まだ東京にいた某氏にお礼の連絡を入れると、「効いて良かった。でもくれぐれも肝臓には注意」とのお言葉。まったく効かない人も多い不確実な薬だが、連用すると肝臓を壊すのだけは確実なんだそうだ。まあ世の中、そんなもんだろう。好きなもんを好きなだけ年がら年中腹に入れていれば、肝硬変で死ぬ。
 40錠入っていたので残り39錠、まあ、いざという時に、重宝に使わせてもらおう。


02月02日 火  鬼は内

 狸はサミしいので、鬼さんでも無下に追い出しません。福の神さんは、まあ、どこでも大歓迎でしょうから、お好きなところでお好きなように。

 などといいつつ、録画しておいた『刑事コロンボ 別れのワイン』、推定10回目くらいの鑑賞。今回のBS2放送、今まででいちばん画質が良かった気がする。前にBS−hiでもやっていたソースなのだろうが、狸の古レコーダーや古テレビでは、ぶっとい黒枠付きの縮小表示になってしまっていた。
 ここでも何度か記した気がするが、何度観ても、この『別れのワイン』は、いい。高品質ワイン命の老おたくの犯人像も、それを追いつめるコロンボの敬意を失しない捜査態度も、逮捕時まである意味救いを醸し出す哀愁に満ちたシナリオも、本当にみごとだ。狸的には、倒叙ミステリーとしてはアイラ・レヴィンの小説『死の接吻』と並ぶ、お気に入りである。まあ『死の接吻』のほうは、倒叙であることを逆手に取った驚愕の展開なども秀逸なわけだが。
 いわゆる『本格ミステリー』の中には、単なる情緒欠落犯の犯行を、トリック崩しゲームとして展開する話も多いわけだけれど、どうも狸は好きになれない。優れた文学作品には必ずミステリー(謎解き)の要素が含まれる、とおっしゃったのが誰先生だったかは忘れてしまったが、市井の人の心そのものが謎ですもんね。
 狸としては、どう殺したかより、なぜ殺したかのほうが重大事なのです。

 昨日の雪は、このあたりでは、やっぱり朝まで保たなかったようだ。でも、今日の帰り道、子供が作ったらしいちっこい雪洞が日陰に残っていたので、良しとしよう。


02月01日 月  雪狸

 ♪ 雪は夜更け過ぎ〜に〜 雨へと変わるだ〜ろ〜 ♪
 などと歌いつつ、きっと君も誰も来ない狸穴に帰還したわけだが、夜中になっても霙状態なので、あんがい朝まで雪が残るのかもしれない。犬は喜び庭駆けまわり、狸も炬燵で丸くなるより、わざわざ遠回りして外をうろつきまわったりする。

 まあ故郷の雪かきの苦労など思い起こせば、喜んでばかりでもいけないのだろうが、冬中雪の中で過ごしていたのは高校時代までですからね。市街地だったので、屋根の雪下ろしは週一程度で済んだから、やっぱり苦労よりは、ノスタルジーのほうが勝ってしまう。雪の重みで古い家の襖が開けにくくなったり、毎朝家の前に道をつけたり、そんなことすら懐旧化してしまう。もし屋根から転げ落ちて雪に埋もれても、自力で這い出せた頃の話である。

 今の体力だったら、そのまんま雪解けまでおとなしく埋まってて、春先に解凍され、狸汁になるだろう。