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12月31日 土  などと言いつつ

 いざいちんち寝て暮らそうと思うと、昼前に目が覚めてしまったりするから、おかしなものである。
 おまけに妙に脚がキワキワ(?)して、そこいらを徘徊したりもする。
 徘徊している内に強烈な睡魔に襲われ、ショッピング・センターのロビー(?)のソファーで、思わず熟睡してしまったりもする。
 狸はもはや、己の処し方がわかりません。大晦日の慌ただしい街を「へえ」とか「ふうん」とか解ったような顔で彷徨いつつ、世間の皆様のように買い物にいそしんだり、ファミレスに入ったりする金がないことだけは確かです。
 でも、ブックオフの100円棚で、鈴々舎馬風師匠の『会長への道』(2006年・小学館文庫)を見つけたから、良しとしよう。パラ見したところ、師匠の修業時代、つまり昭和30年前半あたりの前座さんのアルバイト状況などが、キャバレーのギャラなどまで事細かに記してあるので、大いに参考になる。

          ◇          ◇

 日没前には帰穴し、例のたかちゃん物件をポコポコやっているうち、紅白が始まりそうになり、あわてて風呂に入ってから蕎麦を湯がく。どうしてそんな順序になるかと言うと、どうせ近年の紅白は、知らない若手だとサビだけ観て早送りしてしまうので、ある程度録画が進んでから追っかけ再生したほうが、ちょうどリアルタイムで新年を迎えられたりするのである。
 天ぷら蕎麦はたいへん旨かった。おこたみかんもくつろげた。しかし紅白は、なんじゃやら震災がらみのせいか、いつにもまして若手が大人しい。例のAKBだか少女ナントカだかはさすがに騒々しいが、要はチマチマと若さを切り売りしているだけだ。共時性頼みで『華』がないという点では、他のバラード系の若い衆とおんなしだ。KARAとかいう女の子たちがスカートを脱いでショートパンツのお尻を振り始めた時は少々期待したが、なんだあの気の抜けたグラインドは。何年か前の島谷ひとみ嬢の腰のキレを、見習ってほしいものである。このままみんな仲良く手に手を取り合っていたわり合いながら復興しましょうね、で終わってしまうかと不安になったが、東方神起あたりから徐々に盛り上がり始め、レディー・ガガ女史あたりでトドメを刺し、なんとか日本勢も華々しく進んでくれてひと安心。小林幸子さんの獅子乗りも華があったしな。
 芸も震災復興も、キモは馴れ合いじゃなく魂、自己実現の希求だと思うぞ。

          ◇          ◇

 とまあ、最後まで年寄りの愚痴で終わってしまう平成23年の狸穴、さあ、来年はもっと年寄りになるぞ。なりたかないけど。
 皆様も、どうか良い年寄りに、じゃねーや、良いお年を!


12月30日 金  眠りの森の年越し予定

 明日は人様なみに休日。
 夕方まで寝て、起きて風呂に入って、紅白見ながら年越し蕎麦食って、朝まで打鍵してまた寝る予定。
 実は明後日も、人様なみに休日。
 夕方まで寝て、起きて風呂に入って、録画物件でも見ながらおせちと雑煮食って、ちょっと打鍵してまた寝る予定。

 ……とまあ、ヨレヨレゆえに、なんの花も実もない年越し予定ではある。
 でもまあ元旦の午後くらいは、狸穴外に這いだして、多少蠢くかもしれません。

12月29日 木  サプリ

 猫様のBBSにもちょっと記したが、このところ、狸はダイソーのサプリ『マカ+無臭ニンニク』(20日分で100円ポッキリ)を、毎日飲んでいる。
 平成の今でこそ「まだ中年です」と言いきれる狸も、父親の時代なら定年間近、つまり初老。それがお若い衆にまじり日雇い作業で食いつないでいるのだから、正直、日々ヨレヨレなわけである。しかも世間は「65歳まではコキ使われてナンボ」の時代、マジに定年後の爺さんが同じ現場にいたりするので、そっちにも負けるわけにはいかない。
 しかし『マカ』も『無臭ニンニク』も、新聞広告などでは何千円もするはずなのに、なんでダイソーで売ってるんでしょうね。ほんとに効くんでしょうかね。「いやいやいや、この手のモノは気合いだ気合い」と割り切りつつ、実際、この寒空にクシャミが3回出てもルル3錠までは至らず、例年の扁桃腺もまだ疼かないところを見ると、あながち「気合い」だけでなく、ちゃんと効いている気もするのです。

          ◇          ◇

 生き別れの偽娘は、あいかわらず苛酷な病魔と闘いつつ、しかし充実した生を歩んでいるようだ。
 谷口先生は、あいかわらず鬱病との折り合いに四苦八苦していらっしゃる。
 今年最後の締切が人生最後の締切になってしまうかもしれない、と嘆いていた五十嵐氏に、次の仕事は入っただろうか。
 社会的にはまったく無価値なまま、日々ワンコインに生きる地虫のような狸は、幸なのか不幸なのか。
 ともあれ、死ぬまで生き続けるために、今夜も『マカ+無臭ニンニク』を飲む狸です。

          


12月26日 月  歳末

 姉より歳末年始援助物資が届いた。米、蕎麦、餅、海苔、レトルト食品、袋菓子、みかん、衣類などである。現在の困窮度においては、東北の被災地に次ぐであろう狸穴なので、とてもありがたい。
 おいおいこないだロブスター食ったばっかしじゃんこの贅沢者、と言うなかれ。あのロブスターは、あくまで日々の晩餐を納豆ご飯や卵かけご飯等で済ませた上での、お狐ママン流に言えば『ハレ』の御馳走である。それも、邪宗キリシタンバテレンに勝利するための、いわば抗戦的『ハレ』である。多少の戦費投入はやむをえない。
 対して、来るべき大晦日や正月等における、我が国の伝統的な『ハレ』は、米、蕎麦、餅、海苔、レトルト食品、袋菓子、みかんがあれば、あとはそれこそ500円玉1個の追加で、充分に対応できる。汁の素、おこた、といった他の必須アイテムは、貧しい狸穴にも常備しているからだ。ああ、清貧の我が日本に幸あれ。リア充だって爆発しなくていいぞ。でも年収一千万を越すような方々は、多少不幸化希望。

          ◇          ◇

 ラジオを聴きながら風呂に入っていたら、NHKで『第四回 夢の紅白歌合戦』とかいうアーカイブ企画をやっており、たまたま時間的に、今年お亡くなりになった過去の出場者の歌唱部分が、まとめて流れた。正直当初は、懐かしさよりも憂鬱が凌駕し、風呂の底まで沈んだ。しかし聴き続けるうちに、やっぱり知った歌手さんばかりなので心が和み、溺死前に再浮上できた。
 ここ数年のリアルタイム紅白だと、出場者の過半数は、狸の知らない顔だからなあ。生きてる他人より、知ってる死人が好き。


12月23日 金  わかっちゃいるけどやめられない♪

 朝6時過ぎの白々明けから夜の7時まで、半日以上、寝て暮らしてしまった。寝るまでは、例の打鍵再開『ゆうこちゃんと星猫さん』を、ちまちま進めていたのである。ようやく40枚ほどまで進んだが、1話として区切りがつくまでは、まだ同量を要しそうだ。そして最終回までは、推定その10倍のテキスト量が……。
 ふっふっふ、いっしょに死のうね、たかちゃんくにこちゃんゆうこちゃん。

 昨夜『自粛』と記したばかりなのに、買い物に出た夜の巷は明日のイブを控えてそれなりに盛り上がっており、西友やドンキに並ぶそこそこの『鶏のモモ焼き』は看過できたものの、とんでもねーシロモノの誘惑に負けてしまった。駅中の高級スーパーに並んでいた『ロブスターテルミドール』。価格は野口英世先生がふたりとちょっと。
 なんぼなんでも野口先生2名越えは無茶だと、初見の場では誘惑を振りきったが、しばらくしてまた通りかかると、野口先生ひとり半ほどに値崩れしており、おまけに残り1パック。
 ……買ってしまいました。当然、月間食費12000円の狸穴経済は破綻します。でも、今年は500円玉貯金箱があるではないか。
 と、ゆーわけで、マジウマのロブスターにハイネケンまで奮発し、ややヤケクソ気味に、早々と「メリー・クリスマス!」。

         ◇          ◇

 こないだ感想を入れた天野様のクリスマス物件の、コメ返しを見に某投稿板に行くと、なんじゃやら『
創作道とは   と見つけたり』 などという意味深なタイトルの掌編が投稿されていたので、目を通してみた。作者の名前に記憶はないが、中身から察するに、お若い女性の作か。創作活動と世俗を、あたかも対立命題であるかのように感覚している、ちょっと背中が痒くなるような、若々しい話であった。
 ああ、狸も、そんな感覚に囚われていたことがあったなあ。あれは確か、中学の終わりから、高校2年の春あたり。
 しかし五十路も半ばに達しつつある今となっては、そうした疑問も感傷も、とうの昔にザッパ汁の具にして、食ってしまった。もはや、そのかわいい掌編に対する感想など入れようもない。
 ふっふっふ、いっしょに死のうね、ATOK。

 ところで天野様、次のHNは陸奥松島ですかね。震災復興の祈りもこめたりなんかして。


12月22日 木  自粛

 えーと、毎年恒例の全国的な『クリスマス中止のお知らせ』は、今年も出たのかな。
 狸の場合、とりあえず明日は休みなのだが、明後日から29日までは連チャンで仕事がとれたので、クリスマスは自粛させていただきます。鶏のモモ焼きも、どうせ処分特価になってからしか、まともな奴は食えんしな。いや、今年は500円玉貯金があるから食おうと思えば食えるのだが、どうもそこまで気分がのらない。テレビのクリスマス特番も、まともな聖夜っぽい趣向はなさそうだし(BSやケーブルは知らないが、地上波では)。

          

 とりあえず、キリシタンバテレンの祭や新小岩駅ダイブ祭を横目に見ながら、ちまちまと探食を続けつつ、でも気持ちとしてはこーゆー感じの狸である、とまあ、そんなとこで。


12月19日 月  ほどほどがいいな

 さて、金日成さん→金正日さんの場合は、長男世襲でストレートに継承された独裁体制が、今回三男の金正恩さんの継承にあたっては、正日さんの晩年のなんかいろいろを鑑みると、はたしてストレートになるか変化球になるか、はたまたヤケクソの魔球大リーグボールになるか、これはもー、国際的外野がどのように騒いでも、おそらく北朝鮮の上層部の方々自身が皆目解っていないわけで、まして一介の狸としては、極東より様子を見守るしかないわけである。
 まあアメリカあたりは、ちまちまと無駄なミサイルを日本海に落としたりしてないで、いっそ豪快にテポドンでも外の陸地に落としてくれたほうがイッキに叩けるんだがなあ、とか、一部で考えているかもしれない。韓国や日本には届いても、アメリカまでは届かないでしょうからね。無論それとは逆に、柔軟な国際社会対応に転換してくれればベストだが、党や軍部はあいかわらず既得権のカタマリたちが掌握しているのだから、当分は難しいだろう。

 青森の山田高校野球部(名門らしい)で、1年部員が先輩に背中を殴られて死んだそうだ。脊髄とか延髄とか、ヤバイ部分を損傷してしまったのか。それとも肺や脾臓がやられたか。いずれにせよ、殺す気がない子供が、殺される気のない子供を誤って殺してしまうという構図は、ほんとうに救いが無い。
 あえて人を殴るなら、どこをどうやれば半殺しとか生殺しとか、把握してからにしてほしいものである。


12月18日 日  決着不能

 韓国の一般市民の方々には、民族性としての違和感をしばしば感じてしまう狸だが、それは単に日本人全般の国民性とのあくまでムード的な差異であって、別に人として問題があるだのないだの、そんな話ではない。一方、国家としての韓国には、やっぱり「うう。困った国だなあ」と、唸らざるをえない。なんつーか、あんまし自己都合でコロコロ歴史解釈を変えすぎるのですね。
 そりゃ第二次大戦終結以前に大日本帝国がなんかいろいろやっちゃったことは、あちらさんが「された」とおっしゃる全部ではないにしろ、頭を下げるにやぶさかではない。しかし「こっちがされたと言ってんだから素直に全部認めて謝れ」と、額に青筋立てられてもなあ。

 ちなみに日本の売春産業は、昔から民間企業や個人業者の仕事である。軍隊の行くところ常に売春宿が付随していたのも確かだが、帝国軍が直接娼婦を調達したわけではない。まあ不良兵士がそれに近い行為をしたことはあっただろうし、また外地で現地の婦女を強姦する兵隊も仰山いただろうが、それはあくまで軍律違反だ。無論、そんな兵士を送った国家にも責任の一端があるのは確かだが、ならば昭和40年の日韓請求権協定はなんだったの、という話になる。などと言いつつ、確かにあの協定も、アメリカさんの事情による拙速協定だったのは確かだから、ますます話が面倒になる。

 どのみち、飽くなき戦線拡大より戦略的撤退、そんな大人の策略が、昔の日本軍には欠けており、今の韓国政府にも欠けているのは確かだ。


12月17日 土  真白き富士の嶺

 本日も、湾岸倉庫5階の休憩室からは、明瞭な山嶺パノラマが遠望できた。先週と同じく、土曜の朝であることと、冬型の気圧配置の賜物なのだろう。
 先週は、昼過ぎには灰色の靄に隠れてしまったが、本日はなんとか夕方まで視界が保たれ、おまけに職場多忙のため(当然この時期は玩具商戦のピークである)午後の休憩が夕方5時近くまでズレこみ、落日直後の残照パノラマまで鑑賞できた。もちろんあくまで都会の空だから、故郷の落日風景などとは違い、丹沢も富士も奥多摩もべったり暗灰色一枚の書き割り状態だが、それが残照の茜色にバックアップされていると、かえって神秘的にも見える。

 ああ、山はいい。
 自分という一介の狸の、存在だの境遇だのとはまったく無関係なところが、すごくいい。
「おまえみたいな小動物なんぞ、いてもいなくともおんなしなんだから、まあテキトーにボチボチやってなさいね」――そんな大らかな声が聞こえてくるようだ。


12月16日 金  『あの日』がらみに

 ナニワの橋本さんは、いよいよ育ちの悪さの露呈にシャカリキのようだ。取り巻き以外はあからさまにツブす路線らしい。
 先の東日本大震災当初は、国全体の復興のために西日本パワーを期待したが、大阪都とやらのお世話にだけはなりたくない。いっそ京都あたりが「もともと『都』どすえ」とか、文化的に目覚めてくれまいか。

 東京電力福島第1原発、無事に冷温停止状態となり、事故そのものは収束したのだそうだ。
 ありゃ、狸はひと晩眠っていちんち働いてきただけだと思っていたのに、いつの間にか何年もたっていたらしい。今日の職場は竜宮城だったのかな。まあ、おもちゃまみれで体も楽で、確かに他より楽しい職場ではあったが、乙姫様は、いなかったような。リカちゃんなら、マス・ゲームできそうなくらい見かけたけど。

 退院された谷口敬先生のブログに、『
入院マンガの1ページ目』とおっしゃる4コマがアップされていた。明らかにギャグなのだけれど、たとえば吾妻ひでお先生の『失踪日記』だってギャグだし、花輪和一先生の『刑務所の中』も、大半ギャグっぽく客観化されている。そりゃ創作物において暗いモノを暗く、辛いモノを辛く書けるのは、暗く辛いことにも充実できる、あるいは暗さ辛さが外にある方だけだ。
 で、その1ページ目、これがどうやら東日本大震災当日のエピソードなのですね。
 確かに、あの激震以来、能天気な狸でさえ、かなりの精神不安定に悩まされた。今だって能天気を装ってはいるものの、かつての能天気とは明らかに性質が違う。ときどき覚える不安感の、黒さが違うのである。これで元々繊細な性格だったり、あるいは今のような長期ドン底安定(?)状態ではなく、ドン底慣れしていない初期の頃だったりしたら、狸だって入院していないとも限らない。 
 谷口先生は『
手が震えてペンが全く走らない。プロとして恥ずかしくなるような絵。パソコンも上手く動いてくれないし。こりゃリハビリにはかなり時間がかかりそうだ。マンガ描くって大変なことだったんだな〜。』とも書いておられたが、さすがはベテラン、半年近く休んだあとの手仕事なのに、やっぱりプロの絵である。


12月13日 火  続・猫たちの冬

 例によってミケ女王様同伴で帰穴、例によって備蓄の豚コマを2〜3片召し上がっていただき、例によって隙を見て撫でようとして引っかかれて軽く流血する。いやマジで出血するのですね、猫に爪立てられると。
 ミケ様ご退去後、明日は休日(諸般の雑事で自発的アブレ)なので狸臭のこもった洗濯予定物を台所の床に積み上げ、それから風呂に入り、例によって「ああ神様、狸は一生お湯の中がいいです」などとウダウダしたのち台所に戻ると、いつのまにかまたミケ様がご来臨されており、汚れ物の中で丸くなっておられた。

          

 ご覧のように、安眠されるミケ様の御尊顔直前には、人間形態時の狸の避けられない生理現象によってやや黄変した下着の内側などが露出している。本来、恥ずかしい黄変などは画像処理で消したいところだが、今日の雑想は「……ミケ様、もしやあなたはサドに見えてマゾですか」というのがテーマなので、そのまま掲載させていただく。この程度のキバミで気を悪くなされるようなお方が、今さらここを覗いていらっしゃるとは思えないので、かまいませんね。

 ちなみにブチ下僕は、今朝も、そして夜も、箱の中のぼたもちでした。まさか昼間や夜中も、ずっとぼたもちなんじゃあるまいな。


12月12日 月  猫たちの冬

 ミケ女王様は、ここ数日、夜食を召し上がるとパソ部屋の隅のガラクタ置き場に陣取り、妙にババくさい顔でくつろいでいるのだが、何か心境の変化でもあったのだろうか。特に温かい場所でもないのだが。

          

 ちなみにブチ下僕は、本格的な冬の到来とともに、めっきり狸穴を訪う機会が減りました。ほとんど一階の猫小屋で、ぼたもちと化しているもようです。


12月07日 水  雑想

 まあ柔道の上手下手に性欲がどの程度影響するかは個人差があろうが、泥酔した女性を押し倒すという行為自体、勝負を放棄してるよなあ。
 それでいいなら狸だって過去になんぼでもプロでない女性を押したおすことが可能だったわけで、でもやっぱし素人女性とのアレは一種人生上の勝負だからやりたいけどやらなかった、そこんとこの消極性が狸の人生における数多の敗北に繋がっているのかもしれないが、まあ何事もとにかく勝てばいいってもんではないような気がしないでもないので、やっぱり少なくとも初戦はシラフで組み合うべきなのですね。
 というわけで内柴さん、鉄格子にどうぞ。

          ◇          ◇

 宮内庁のどなたかが雅子様の離縁を画策しているとか、学習院関係マダムの間で「このまま回復なさらないのなら、雅子様、いっそ皇室を離れられては?」などと盛んに囁かれているとか、そんなネット記事を目にして、「おいおい、よその夫婦を勝手に離縁さすなよ外野の馬鹿」と激怒してしまった狸だが、その記事が『女性自身』の発信と気づき、一転、大笑い。おまけに、よほど顰蹙をかったのか、記事自体が即刻消滅していた。
 しかしあそこも発刊以来、感心するほど編集方針が一貫しておりますね。世の中の事物すべてを、姑の嫁いびりの次元で語りきる明解さ。当然、夫は関係ないのである。萎びた古旦那なんぞ家にいるだけ鬱陶しいという気持ちは解るが、どうか皇太子様の存在を忘れないでくださいね。そこいらの萎びた旦那と違って、しっかり妻子を守っていらっしゃるではないか。がんばれ長男、そして長男の嫁。言っちゃあなんだが、次男夫婦は何かにつけ楽だぞ。
 それにしても、近頃の国民総姑化の気配に、狸は憂いを覚えます。

          ◇          ◇

 昨夜の帰途、西友で、チョンガーむけのチゲ鍋、あの使い捨てアルミ鍋に入った『ひとり鍋』を、最終処分特価で入手した。
 で、4枚ほど入っていた豚肉の1枚はミケ女王様に貢ぎ、残りをわくわくとコンロにかけたところ、疲労でウスラボケっとしていたためアルミ鍋を片寄って置いてしまったらしく、ぐつぐつ煮えてきたところでいきなりコンロの台座(?)から外れ、斜めになって中身がこぼれそうになった。
 ならば落ち着いて鍋の縁に布巾でも当てて体勢を整えればいいものを、なにせウスラボケっとしていたものだから反射的に直接指で掴んでしまい、ご存知のように煮沸中の使い捨てアルミ鍋とゆーものの特に外周部分はとんでもねー熱さになっており、当然「わぢぢぢ!」などと絶叫してすぐに手を放すかと思いきや、その状態で手を放してしまうと鍋全体が確実に転覆してしまうため、貧しいウスラボケは「わぢぢぢぢぢぢ!」などとさらに絶叫し続けながら、指よりも鍋を救う道を選んでしまったりするのであった。
 結果、本日は、右手親指と人差し指の先にバンドエイドを巻いた状態で仕事をしてきたのだが、その痛さ不自由さと、チゲ鍋の旨さを天秤にかけた場合、はたしてどちらが重いでしょうか。
 あえて「おまえアホか」という本音を隠し、「うんうんうん、チゲ鍋おいしくて良かったね良かったね」と優しく頬笑んでくれるあなたの人としての優しさが、今の混迷日本に最も必要なものであると、狸は断言したい。


12月04日 日  人生いろいろ

 アブレたので、4時から16時まで寝倒した後、久々に図書館に行く。
 以前、N村様のブログにあった『不思議の国ベラルーシ ナショナリズムから遠く離れて』(服部倫卓・著 岩波書店)を借りてみる。独立なんぞ望んでいなかったのに旧ソ連の崩壊でなしくずしに独立国家となってしまい、国民はひたすら旧ソ連統治時代を懐かしんでいる国なのだそうだ。
 個人的興味と資料目的で、『東京の下層社会』(紀田順一郎・著 ちくま学芸文庫)も借りる。明治から昭和戦前にかけての、極貧階級や娼婦や女工の想像を絶する悲惨な被差別・被搾取実態について、書誌マニア紀田氏らしく、学術的にはほとんど埋もれてしまったその時代の文献をもとに論考しているようだ。紀田氏は、荒俣宏氏と同流の、平井呈一先生の流れをくむ方だが、荒俣氏とは風合いが違って、幻想においてもミステリにおいても大変理知的な、現実社会に根ざしたアプローチをする方なので、狸は大いに信頼している。パラ見したところ、吉原の中店に売られた少女による、壮絶な搾取生活と脱出の手記なども採り上げられている。先だって読んだ福田利子さんの『吉原はこんな所でございました』では、なかなか古き良き風趣を残し、人情の場でもあった戦前の吉原が、真逆の方向から論じられているわけである。
 人間、人それぞれなのだ。侵略者に戦車ですりつぶされる立場もあれば、その圧政を庇護と受け取る立場もある。鬼畜のような人非人の経営する凄惨な娼館もあれば、花魁の美を文化として慈しむ娼館もある。どっちも同じ、人間の世界。壁一つ隔てた隣家に住むのが鬼畜か聖人か、狸だって判りゃしない。しかしどのみちどっちでもない、ブルジョアでも極貧でもない(現代の尺度ではかなりビンボだろうが、少なくとも明治のスラム住人のように、半分腐った残飯で生きてはいない)狸としては、せいぜい脳味噌だけは中庸を大きく逸脱するまいと思う。

          ◇          ◇

 今夜、馬肉の大和煮缶詰とミルクティーが、完璧にマッチする味覚であることを知った。しかし他の方々にお薦めして顰蹙をかってもなんなので、やっぱり誰にも内緒にしといたほうが良かったような気もするのだが、どうか。


12月02日 金  世の中そこまで甘くない

2010年7月までの約9年間に、静岡県三島市などの路上で女性9人に乱暴し、全員にけがをさせたなどとして、強姦致傷罪などに問われた同県長泉町下長窪、無職小沢貴司被告(35)の裁判員裁判の公判が30日、静岡地裁沼津支部(片山隆夫裁判長)であった。
検察側は01〜08年に起きた5件の強姦致傷や強盗、窃盗罪と、09〜10年に起きた4件の強姦致傷、強盗罪について、いずれも懲役30年とし、併せて60年を求刑した。求刑が60年に及ぶのは極めて異例。判決は12月5日。
小沢被告は09年3月、窃盗事件で懲役1年執行猶予4年の有罪判決を受け、確定している。刑法の規定では、複数の犯罪の間に確定判決があった場合、判決の前と後の事件について、量刑を分ける必要がある。1回の量刑では懲役30年が有期刑の最高刑。
検察側は論告で「被告にはゆがんだ性癖や人格があり、相当長期間の矯正教育が必要」などと主張。弁護側は「重い求刑に驚いている。適正な判断を求めたい」と訴えた。【読売新聞 11月30日(水)13時4分配信】


 で、ニュース映像によると、弁護側としては「(被告は)十分反省し、被害者に弁償もしている」「(被告は)立ち直って社会に復帰し社会貢献したいと希望していたので、無期に近い求刑に驚いている」のだそうだ。
 うんうん、ちょっと驚くくらいで、ちょうどいいんじゃないかなあ小沢貴司君。大丈夫だよ。もっと重い無期だって、反省してまじめに懲役やってりゃ、ほとんど30年くらいで仮出所できるんだから。懲役60年は過去に類を見ないので推測しづらいけど、仮出所まで長くてせいぜい40年くらいかな。無期より軽い刑と考えれば、もしかしたらもっと早く出られるかも。君はまだ35歳、狸より20年近く若いんじゃないか。だったら30年たったって、まだ65歳。40・50は洟垂れ小僧の高齢社会、65歳なんて、まだこれからさ。もっとも狸はもう朝立ちすらままならないほど衰えちゃったけど、ムショは食事も日課もほんと健康的だから、きっとビンビンなままで出所できるよ。そしたら希望通り、思うさま死ぬまで社会貢献すればいいじゃないか。
 ところで、あの育ちの良さそうな弁護士君、仕事だから仕方なく言ってるのかもしれないけど、マジだとしたらすぐに病院に行ったほうがいいと思うんだ。次に会ったら、よく言っといてね。でもその前に、今夜あたり拘置所のシーツで首吊ってくれたりしたら、ほんとに立派な社会貢献になると思うなあ小沢貴司君。

 9人の女性を蹂躙して金品奪って、その上何十年も食うに困らない生活を送れるのだから、鉄格子くらいがまんしろこのクソ野郎。


12月01日 木  まだ

 たかこ 「やっほー! まーだだよー!」
 くにこ 「んむ。これは、まだだな」
 ゆうこ 「ごめんね、ごめんね」

 たかこ 「うー、さむいさむい」
 くにこ 「んむ。これは、ことしの秋が、しょーぶに負けてしまったのだな」
 たかこ 「しょーぶ?」
 くにこ 「んむ。こないだまで夏にシメられつづけ、こんどはいきなり、冬になぐりたおされてしまったのだ」
 ゆうこ 「……ぷるぷるぷる」