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07月29日 水  100円天国

 古本屋の100円棚で、創元文庫の『吸血鬼ドラキュラ』(ブラム・ストーカー作 平井呈一訳)を発掘。そんなメジャーな文庫本は『発掘』でもなんでもないだろう、と言うなかれ。現行の完訳版ではない。狸が小学校5年生の頃、生まれて初めて完読した大人向け文庫本――つまり1960年代に売られていた抄訳版である。ダークブルーの表紙に黒い人面蝙蝠が翼を広げている、タイトルも無骨なゴシック体の版。抄訳と言っても、1ページ19行で1行43字、つまり現在の文庫本よりも遙かにちっこい活字がみっちりと詰まっており、しかも400ページ以上ある。読破するのに、小学生の狸だと、確か半年以上かかった。狸が中学2年の時に出た、赤い表紙に同じ黒い人面蝙蝠で、ただしタイトルのレタリングがおどろおどろしい飾り文字になった完訳版(150ページも増えた)は、今でも保存しているが、抄訳版はいつのまにか紛失していたのである。
 それから半世紀近くを経て、本日再入手できた物件は、小口はさすがにヤケまくっているが、あの懐かしい表紙は、ほぼツヤツヤである。どこかのどなたかの本棚に、ずっとしまいっぱなしだったのだろう。たぶん元の所有者の方は、近頃あの世あるいは介護施設あたりに転居されたことと思われますが、ありがとうございますありがとうございます。いずれ、あの世でお礼いたします。その蔵書を捨てずにリサイクルしてくれたご家族の方々にも、今のうちに心より御礼申し上げます。

 同じ100円棚で、金園社のご家庭向け入門書『写真のABC』(1995年発行)という代物を見つけ、それも懐かしさから――いや、実は、内容的な大笑い度に感心して、思わず買ってしまった。当時の新鋭機・オートフォーカス35ミリ一眼レフなどが紹介されているいっぽうで、
110フィルムのポケットカメラには回転式のフラッシュキューブが仕えるなどと、狸が高校時代の情報、つまり発行時から20年も昔の情報が、堂々と記載されているのである。よくまあ20年以上も、同じ入門書にちょこちょこ加筆しながら出版し続けたもんだ。すげえぜ金園社。まあ、それだけ変化のゆるやかな時代でもあったんだろうが。
 思えばウインドウズ95が出たあたりから、メカトロニクス関係の変化が、あまりにも目まぐるしい。
 しかし『吸血鬼ドラキュラ』の完訳は、古色蒼然とした平井訳の増刷が未だに続き、こないだ出たラノベっぽい表紙で漢字の少ない角川文庫よりもずっと高評価なようで、なによりである。

          ◇          ◇

 話変わって、打鍵中の木馬物件、例の投稿板でようやく更新できたのだが、分量と展開のつごうから、まとまった起承転結ではなく、起承転までの更新になってしまった。おまけに前回でめいっぱい盛り上げた(あくまで当狸比)美紀や優太サイドの続きは、次回に持ち越しという有様である。それでもけしてつまらなくはないはずなのだが――もはや永久凍土化しつつあるあの板において、読者様の反応や、いかに。
 まあ狸自身は、とにかく毎日毎日あづぐであづぐであづぐであづぐで、フリーズしてるどころじゃありませんけど。


07月25日 土  ラテンな日々


     毎日ごくろうさんばのリズム
     夏の日雇い たま
らんばだ
     汗が流れるばかりぷそ
     もはや脳味噌 融けたんご

     バースの陽だまり あっちっち
     このままきっと死ぬるんば
     足がちっとも進まんぼ
     くらりと目眩が しちゃちゃちゃちゃ

     そのうち社員も立ちさるさ
     こっそり隠れて さぼれげぇ

 ……もう思いつかない。ボサノバとかボレロとか、誰か続けてください。

          ◇          ◇

 明日はアブレだ、さあ、打つぞ。
 ……でも、その前に、やっぱり寝る。セコい窓用エアコン、フル操業で。寝ている間くらいは、汗をかきたくない。
 起きている間は極力エアコンを止めているが、今年の夏も、電気代、月一万越すんだろうなあ。


07月24日 金  流れるやつら

     

 ……汗を流すのは、もう充分だ。狸自身が流れたい。


07月22日 水  居直る

 うん。
 暑苦しいもんは暑苦しい。鬱陶しいものは鬱陶しい。それが季節であれ原子核であれ大宇宙であれ。どのみち一介の狸が、どーのこーの言っても仕方がない。
 夏は花火大会だってロハで観られるしな。雨さえ降らなきゃ。

          ◇          ◇

 帰りにダイソーで、細っこい簾と、朝顔の造花を二色ぶん買ってきた。
 窓に簾を吊るして朝顔を配すると、なんぼか童心に帰れた気がする。
 しかし近頃の造花はすごい。紫と藤色の、大小十輪の朝顔は、ドライフラワーのようにリアルである。花弁に朝露まで光っている。これで二百円ポッキリなのだ。ラベルには中国製とある。簾もそうだし、狸穴にあるたいがいの日用品も同様だ。
 中国には足を向けて寝られない。お偉いさんたちはともかく、市井の労働者の方々には。

          ◇          ◇

 愛用している1980円のソーラー・デジタル腕時計、いわゆるチープ・カシオのアクリル風防が日々小傷を増し、時間を見るのが哀しくなってきていた。時間を見るたびに、日々摩耗する己を鏡で見ている気がする。とはいえ、購ってかれこれ3年たってもきっちり月差+15秒を保ち、電池切れの心配がないスグレモノを、みすぼらしいという理由だけで買い換える気はない。
 時計も人生も、動いているかぎり捨てる気はない。でもやっぱり哀しい。昔は仕事で時計も売っていたので、アクリル風防用のコンパウンドが市販されているのは知っている。しかしコンパウンドだけでも、電池交換式のチープ・カシオと同じ価格なのだ。
 うみゅみゅみゅみゅう、と唸りながら、ネットを検索してみる。
 ――え? 研磨成分の入った歯磨き粉で代用可能!? マジかいな。
 さっそく靴磨き用の古下着に靴磨きならぬ歯磨きをつけ、シコシコつるつる試してみると――おおおおおおおおお、マジなのであった。さすがに深い傷は消えないが、ほとんどの小傷は、きれいさっぱり消えてしまうのである。
 全世界のビンボ症の方々、無料情報公開ビバ! 
 リアル・ビンボの方々は、ビバでもないけど月差15秒! ……意味わかんないけどな。


07月19日 日  雑想

 N村さんのツイートで知った、トンデモなネット記事に爆笑してしまう。無論、N村さんも呆れて紹介しているわけだが、それにしても、無知もここまでくると、もはやお笑い芸である。でも、ふつうならネットに上げたとたんに四方八方から大馬鹿ぶりを指摘されて、大慌てで削除されるはずの記事が、2日たっても消えていないのにも感心する。目にした人はみんな、マジにお笑い芸だと思いこんで、狸同様に爆笑しているのかもしれない。
 いや、もしかして、本当にジョークなのか?

          ◇          ◇

 暑さで脳味噌がトロけてしまい、自作のネット小説の打鍵が、後期高齢でんでんむしと化している。いや、そんな気がするだけで、これがふつうな気もする。さっき数えてみたら、原稿用紙換算で40枚は増えているのだ。3週間で40枚――著述業の方なら餓死するだろうが、こっちは日雇いで餓死を免れながら、道楽で打っているのである。むしろ、ここまでのペースが異常に速かったのだ。そうしとこう、うん。
 でも、せいぜい月イチくらいで、まとまった更新したいよなあ。

          ◇          ◇

 今日明日は、連休である。勝手に休んだだけですけどね。なんせ心身ともに糸引いてるもんで。
 今朝の朝日新聞の一面は、なんじゃやら少年向け秘境冒険SFっぽい絵面で、久々にトリップできた。この記事が1面トップで、2面にも長い関連記事。
 おいおいトリップしてる場合じゃねーだろう俺、という気もするが、もう狸の脳味噌がトロけてしまうほど地球温暖化は進んでしまっているので、あとは人類滅亡までどんだけかかるか、それだけの問題なのである。もともと温暖化も核戦争も無関係に、イキモノである限り、いずれ種として滅びるのは自明の理であり、それは人類もキリギリスもアリも馬鹿も利口も鬼畜も善人も右も左も上も下も、もーまったく同条件なのである。
 今、狸が進めている木馬物件だって、そうした博物学的な宿命の上に成り立っているわけで、でもまあどうせ滅びるんならせいぜい滅びるまでは美しい夢を見続けましょうよ人間の取り柄なんてそれだけなんだからさ、それだけの話なのである。
 涅槃も娑婆も、精霊舟に乗っちゃえば一緒。


07月17日 金  人生は過ぎゆく

 さて、激動の21世紀に生き続ける狸としての正しいアレコレなどは、もーきれーさっぱり汗と共に流れ落ちてしまい、狸を主に形成する20世紀後半のアレコレにしか、脳味噌が対応しなくなりつつある今日この頃、皆様方におかれましては、いかがお過ごしのことでございましょうや否や。

          ◇          ◇

 C−C−Bのリーダー&ベースの渡辺さんが、大動脈解離による多臓器不全で亡くなったそうだ。享年55歳、狸よりもちょっと若いが、ほぼ同世代。C−C−Bといえば、こないだキーボードの田口さんがシャブで挙げられたばかりである。あの人も病気持ちだったみたいですね。この歳で病気持ちでキーボード弾きまくるには、シャブに頼るしかなかったのだろう。メンバーの中で、狸がいちばん好感を持っていた最年長者、作曲とボーカルとギターをやっていた関口さんも、去年の夏にライブでぶっ倒れて病院に担ぎ込まれてからは、事実上の引退状態らしい。
 みんなギリギリで生きているのだ。ボーカルとドラムでいちばん目立っていた桃色髪のおでぶさん、笠さんはどうしているのだろう。確かメンバーの中では若いほうだったから、まだギリギリではないといいのだが。
 今ではいわゆる一発屋扱いされてしまっていても、当時、アルバムまで聞いていた人なら、彼らがけして『ロマンチックが止まらない』だけのグループでないのはご存じのはずである。

     

 同じ一発屋のように扱われてしまっている、TOM☆CATのアルバムも同様だ。

     

『ロマンチックが止まらない』や『ふられ気分でロックンロール』といった派手な歌以外の、むしろ穏やかで優しいふだんの歌を、今、彼ら彼女らがあの頃の若さのままで披露できたら、今の優しい若者たちも、大いなる共時性を感じてくれただろう。ありふれた表現だが、彼ら彼女らは、生まれるのが2〜30年早すぎたように思われる。

          ◇          ◇

 などと言いつつ、どー考えても生まれるのが2〜30年は遅すぎたように思われる狸としては――やったあ! 子供の頃から大好きで、メロディーも歌詞も全部覚えているのに、なぜか曲名と歌い手さんをきれいさっぱり忘れてしまっていた懐メロの、詳細が確定! 

     

 和泉雅子さんか松原智恵子さんのどっちかだろうとは思っていたのだが、やっぱり和泉雅子さんだったのだ。たぶんこの歌だろうとも思っていたのだが、ちょっと前までは、ネットのどこを探してもレコードジャケットの写真だけで歌詞がないため、確認できなかったのである。大枚はたいて廃盤SPでも入手しないかぎり、確定できなかったのである。
 YOUTUBE、ビバ!!


07月14日 火  夏は死ぬ

 で、ついこないだ「ビバ!」と叫んでしまった夏の到来ではあるが、以降連日きっちり猛暑攻撃が続くと、北方亜種の狸などは、もーなんの節操もなく、お天道様を呪詛してしまうわけである。早くも体が音を上げている。人に化け続けるのが辛い。いちんち中、公園の日陰あたりで丸くなっていたい。正直、真夏は3日で充分だ。真冬なら半年続いてもかまわないんですけどね。
 などと言いつつ、ビンボなりに海辺のバカンスめざして元気に働く若い非正規仲間を見ていると、まあそりゃお天道様だってぶよんとしてしまりのない爺いよりは引き締まった若い衆の味方をしたいわなあ、と、力なく笑うしかない今日この頃、皆様方におかれましては、いかがお過ごしのことでございましょうや否や。

 納涼納涼……。

     


07月11日 土  夏は来ぬ

 超暑がりの狸としては、このところ毎年毎年、ほとんど梅雨を無視して到来する真夏を呪詛しつづけていたわけだが、今年のように正しい梅雨を経てから真夏が来ると、現金なもので、かんかんのお天道様に、思わず「ビバ!」とか叫んでしまうわけである。

 アブレ日なので、午後に起き出し、久々に上野に出た。やること自体はいつに変わらぬ無目的徘徊だが、久々に、お天道様かんかんの徘徊である。動物園に入る金も惜しく、美術館や博物館を覗く予算もなく、クラウン・エースのカツカレーを奢った他は、公園付近の水場を頼りに、ただ汗だくでうろつく。
 無数の老若男女が、「暑い暑い」と言いながら、楽しげにうろついている。白っぽい人も黒っぽい人も黄色っぽい人も、たぶん「暑い暑い」であろうと思われる種々の言語の囀りを交わしながら、楽しげにうろついている。ホームレスの人たちは、あんまし楽しそうではないが、それでも不忍池から国立博物館前の大噴水広場まで、あちこちの木陰で、のんびり昼寝している。
 なんだ、別に問題ないではないか。
 誰も罵りあったりドツキあったりしていないではないか。
 そりゃそうだよね。お天気の上野公園は、日の当たらないネット空間ではない。みんな顔を晒してくつろいでいる。

 ふと不安になるのは、2回目の東京オリンピックが近づいたら、ホームレスの人たちが上野公園から追い出されはしまいか、そのことである。
 明日をも知れぬルンペンが、国立博物館前のあの大広場のベンチで、一般ファミリーや外人観光客と場を分かたず、噴水の涼を享受しながら午睡できる国――。
 この国は、すでに美しいのである。
 美しい夏を、思い続ければいい。

     

 ……などと言いつつ、古エロゲ立ち上げてんじゃねーよ、俺。


07月08日 水  雨々降れ降れ

 梅雨である。
 毎日毎日お天道様の顔をちっとも見ない、根性の入った梅雨である。
 行き帰りの道で、蛇の目でお迎えしてくれる若き日の母の姿を、思わずウスラボケっと探してしまったりもする。

 連日ここまで梅雨っぽい天気が続くのは、なんだか何十年ぶりのような気がする。
 ここ数年の記憶だと、6月下旬から、もう真夏になっていたはずだ。
 暑くないのは大歓迎だが、さすがにここまで湿度80〜99パーセントの日々が続くと、ただでさえ汗っかきの狸など、常時、狸毛から生暖かい雫がしたたる。湯気も立っている気がする。その豊かな温湯は皮膚を潤し皮下脂肪に浸透し、さらに脳味噌までをぷよぷよにする。パソのキーをぽこぽこしようとしても、脳味噌から指先に繋がる神経系がフヤけたりカビたりしているので、ぽこぽこではなく、ねばねばになってしまう。冷蔵庫に入れ忘れたまま一週間放置された夏場の狸肉のように、日々、糸を引くばかりなのである。

 ……まあいいや。
 腐敗も発酵も、似たようなものだ。
 糸を引いている限り、ヒモノにはなっていない。


07月05日 日  乱高下

 株の話ではない。血圧の話である。

 血圧が上がるからピキピキするのか、ピキピキするから血圧が上がるのか定かではないが、日雇い稼業で生きていると日々まともな仕事先ばかりとは限らないし、見なけりゃいいのにネットのニュースなぞ覗いていると世の中のろくでもない話の中でもとりわけろくでもない話ばかりをピックアップしてくれるしで、実は昨夜あたり、同伴帰穴したミケ女王様やブチ下僕が早々に退却してしまうほど、狸はイライラしていた。ふたり、じゃねーや、2匹を蹴ったり踏んだりするほど荒れていたわけではないのだが、猫は敏感な生物だから、けっこうこちらの腹の虫を読む。寝る前に血圧を測ったら、久々に150を超えて160寸前。
 さて、そのこととは関係なく、いや無意識の内に何か脳味噌がとっちらかったのかも知れないが、今朝はちょっとアルツが入って、食後に降圧剤を飲んだかどうか記憶が曖昧になり、結果的に2日ぶん飲んでしまった。重度の高血圧の方なら、狸の3日ぶんを1日に飲んでいても不思議はない薬だから、別に死にはしないのだが、いやあ、やっぱり効きますね。とにかく1日グダグダでした。帰って血圧を測ったら、110近くまで下がっていた。
 ちなみに狸の最高血圧は、毎日降圧剤を服用しても、おおむね130〜140である。特に駆け回ったり怒りまくったりすれば、180くらいまではすぐに上がる。しかし、どんなに心身が快調でも、125以下に下がることはない。それをうっかり110近くまで下げてしまったわけである。なるほど、低血圧に悩む方々の気持ちが理解できた。

 狸の血圧鎮静に呼応するように、奈良で誘拐された女児は無事に救出されたようだし、軍艦島もユネスコの文化遺産とやらに登録されたようだ。まあ後者に関しては、個狸的には別にどっちでもいいんですけどね。別に軍艦島がなくなるわけじゃなし。しかし世界のどこの誰であれ、女児の身になんかあったりしたら、ピキピキを超えて、プッツンしてしまう危険がある。
 ともあれ人間も狸も、ピキピキしすぎるよりは、グダグダくらいでちょうどいいのかもしれない。ギリシャの方々にも、いつまでもグダグダと生きていてもらいたいものである。狸だって、ほんとは死ぬまで丸くなっていたい。やむを得ぬ労働ほど、心身を傷めるものはない。

 明日はアブレだ。さあ、寝るぞ。
 でもその前に、やっぱりちょっと、ぽこぽこぽこ。


07月03日 金  DREAM FANTASY

 さて、日々読む新聞にも現実以上のファンタジーを求め、結局現在、朝日に戻っている狸なのであるが、先日、慰安婦問題でいきなり大反撃に出たっぽい1ページまるまるの記事は、驚きと期待をもって熟読させていただいた。しかし結果は――ああん、こんなの、ちっともファンタジックじゃないやい。今までもさんざん言われていたことの、単なる焼き直しではないか。
 記事のクライマックス、『斡旋業者の慰安婦確保費用の一割を軍部が負担していた』などという大スクープっぽい記述を見たときは、久々に心が躍ったのである。しかし直後には、『という斡旋業者の言葉もあり、その確証が得られたら』だもんなあ。その『確証』を得られない限り、逆襲にもなんにもならんのである。韓国政府側の主張と変わらんのである。ただの『蒸し返し』なのである。ここで、過去の朝日がお家芸としていた『うちの白犬の尻尾は白い。隣の黒犬もうちの白犬も、同じ犬である。よって隣の黒犬の尻尾も白い』的な文脈操作によって、無理矢理にでも『慰安婦確保費用の一割を軍部が負担していたという確証が得られた』っぽい錯覚を生じさせてしまうところに、過去の朝日の醍醐味があったのである。
 つまり立場の再表明をしただけで、具体的な逆襲は、当分無理らしいのであった。

 巷では、右巻きの夢想家だけが夢語りを紡ぎ続けることに、ようやく一般市民も疲れてきたらしく、阿倍さんちの人気にも陰りが見えてきたようだ。
 その点、百田氏などには、もっともっと無根拠な胴間声を張り上げ続けていただきたいものである。とにかく目立てば目立つほど、自著の右寄りファンタジー作品が売れ続けるのだから、御自分でも大人しくするつもりなどカケラもないはずだ。このでんで、バッタバッタとお仲間の後頭部をブチ抜き続けていただきたい。
 そして朝日も、妙な反省などせず、負けずにバッタバッタとお仲間の後頭部をブチ抜き続ければいいのである。
 両方向がそうしていないと現実世界のバランスがとれないことは、ここ1〜2年の日本を見ているだけでも明らかだ。

 アンバランス・ゾーンもトワイライト・ゾーンも、どのみち脳内麻薬の見せる夢ですもんね。

     


07月01日 水  初心表明

 ……えーと、また、なんとなく。

     

 だから、歳なのさ。