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09月29日 金  ぐでぐで

 と生きているまに今月も――マンネリですね、すみません。激動や騒動はお偉い方々にお任せし、ただセコセコとその日の餌を漁るだけの小動物です。
 でも毎晩きちんとミケ女王様やブチ老僕にオヤツを与えたりもしております。それだけが生きる理由と言っても過言ではありません。
 ちまちまと打ち続けている猫耳物件は、ついに『くぱぁ』なシーンに突入し、人間としてダメな領域に踏みこみつつありますが、狸なので平気です。

 しかし……やっぱり探食生活は疲れます。
 誰か勝ち組の方が、狸にも毎日餌をくれまいか。
 でもまあ、ある日突然、皮を剥がれたり汁の具にされたりするよりは、野良のほうがまだマシな気もするし……。

 ともあれ、垂涎の動画。

     


09月20日 水  ぼーっ

 と日々を送っている間に、今月も下旬になろうとしている。

 時の流れにただ身を任せる中、自信をもって断言できることは、もう50日以上、毎晩もれなく冷や奴を食い続けていることくらいである。
 なんとなく脳味噌が豆腐のように白っぽく、コシがなくなってきた気もする。
 あまり歯応えのない狸になってしまってもなんなので、先週あたりから、沖縄の島豆腐をときどき食っている。
 その素朴な味と豆腐らしからぬ歯応えが、なぜかたいへん懐かしく、つらつら記憶を掘り起こしてみたら、子供の頃、今はなき実家の近所の豆腐屋で作っていた木綿豆腐に、味も食感もよく似ているのだ。そういえば、その頃、お上品な絹ごし豆腐なんぞは、ただの一度も食った記憶がない。
 沖縄と山形、なにか豆腐的な因縁があるのだろうか。

          ◇          ◇

 打鍵中の猫耳物件、その後もちまちまちまちまと3シーンほど打ち進め、そろそろ第4話のクライマックスに至ろうとしているのだが……今回も、この1話だけで、優に100枚を越える。
 狸が生きてるうちに終わるのだろうか。
 こんな個人的趣味をユルユルと垂れ流すだけの物件が、遺作になってしまうのではないか。
 狸の狸生は、それでいいのか。

 ……ま、いいか。別に余所様を吹っ飛ばすわけじゃないしな。


09月15日 金  あっ!

 と言う間に、一週間が過ぎようとしている。

 中秋らしく肌寒い日もあった。
 かと思えば、真夏のように汗でズブドロの日もあった。
 あーもうどないせえっつうーねん、などとボヤきながら日々探食に励む小動物とはもーまったく無関係に、何不自由なく肥え太った北の首領様は、湯水の如くミサイル大放出に励んでいる。ぶっちゃけオナニー猿状態である。こと異性関係においては、あの首領様、おそらく小学校高学年レベルなのではないか。奥さんとはちゃんと繁殖活動ができているのだろうか。喜び組の美女たちとは、ちゃんとラブラブなのだろうか。実は、まともなコクりの経験が、皆無なのではないか。
 ともあれ、相手かまわず射精すりゃいいってもんじゃないと思うが、どうか。

         ◇          ◇

 なにかと巻きすぎになりがちな脳内ゼンマイをゆるめるべく、新古本屋さんの百均棚から、『中国嫁日記』とか『聖☆おにいさん』とか、ナゴミ系らしい漫画の単行本を数百円ぶんまとめて買ってきた。
 どちらもたいへん面白い。異文化も異教も、馴れ合ってしまえばいいだけの話なのだ。
 問題は、続きが読みたくとも、巻が新しいものは、まだ100円で買えないことだが――まあ、そのうちなんとかなるだろう。『テルマエ・ロマエ』だって、いつのまにか全巻100円ポッキリになってるしな。

 ゆるめているばかりではゼンマイがナマってしまうから、というわけでもないのだが、青空文庫の中谷宇吉郎作品に、近頃ハマっている。小説ではなく、物理学者さんの随筆である。
 文芸力を併せ持った理系の方の随筆は、実に味が深い。しかも無料で、なんぼでも読める。
 
 ……すみません。こーゆー貧乏人が、日本の出版文化を滅ぼしてゆくのですね。


09月09日 土  雑想

 おお、アマテラス様がずうっと空に! 最高気温は28度、しかも湿気を感じない! 
 もう思い残すことは何もない。死のう。
 ……まあ脳死確認してもらってからな。

 とまあ、久々の好天アブレ日ではあったのだが、昨日一昨日と、ちょっとキツめの作業に当たってしまい、肩はぼきぼき脚はよれよれ、「あーうー」などと呻きながら近所のコインランドリーとスーパーに足を運んだのみであった。
 歳なんですねえ。

          ◇          ◇

 ケーブルのヒストリーチャンネルで、『日本発見』という大昔のドキュメンタリー番組を毎週放送している。こんな貴重な映像資料である。北から順に再放送しているらしく、気づくのが遅れて、北海道から秋田あたりの回を録画し損ねてしまったが、東北の山形・宮城・福島はしっかり録画、以降、南の各都道府県の回は全部チェックできそうだ。
 昭和36年から37年にかけての番組だから、狸が小学校に上がる前、いわゆる高度経済成長期にこの国がどんがらがっしゃんぐわわっちゃんと激変してゆく途上の、リアルタイム・ドキュメンタリーである。つまり狸の知っている、戦前と変わらぬようなド貧乏な田舎の風俗と、都会から吹いてくるなんじゃやらとんでもねーイキオイの風が混ざり合い、ある意味『映像の世紀』以上の隔世感を覚えたりもする。

 昔は良かったなあ、とは、必ずしも思わない。
 ただ、あの頃は、世間が何かと狭っくるしく窮屈なように見えて、実はとてつもなく大雑把な、成り行き任せの時代であったのも確かだ。
 しかしまあ今現在だって、一寸先が未知の世界であることに変わりはなく、ただ、その一寸先に対する有象無象の情報が巷に渦巻きすぎて、狸のようなちっこい脳味噌では処理しきれず、結果、その混沌を『闇』のごとく錯覚しがちである。
 正味の話、一寸先なんて、いつの時代も成り行き任せ、ただのドドメ色なんだよな。

 ともあれ爺いには爺いなりの未来観察願望があり、脳死するまでは、一寸先が未知の世界である。


09月07日 木  カユい夏の墓標

 この一週間、そこそこの青空を2〜3回は見た記憶があるのだが、あくまでシケった、やや白っぽい青であった。
 それ以外は、あいかわらずジトジトである。
 しかし気温はさほど上がらなくなったので、先月よりはマシかと思っていたら、今日の昼あたりは30度に近づき、しかも小雨模様。先月の常道、天然サウナの再来である。
 まあ例年だと、この時期にもまだ炎天の猛暑が続いているパターンが多いから、痛し痒しではあるのだが――もしかして東京湾岸は、永遠に数時間以上の晴天禁止とか、天界あたりでアマテラス様がお決めになったのだろうか。

 ともあれ、まだまだカユい日々が続く。夜の電車で己の発する微かな狸臭に気づき、情けない思いをしたりもする。
 ただ、昔の自分のようなぶよんとしてしまりのない青年が電車で隣に立ったりすると、昭和の田舎の牛小屋にいるような負の懐旧を味わったりもするので、あれに比べれば、老いて縮みゆく狸の臭気など、まだかわいい程度だろう。
 あとは加齢臭対策ですね。これは毎日きっちり風呂でゴシゴシ全身くまなく丸洗いしているので、遠慮のない姉を含め、誰からも指摘されたことはない。

 しかし――アセモだけは、どうにもならないのである。
 常に自分を丸洗いしながら働ける現場はない。
 カラリとした秋空を、切実に夢見るばかりである。


09月01日 金  まだ

 タマ 「やっほー! まーだだよー!」
 マトリョーナ 「いえいえ、もう出てますよ。しかも、いきなりすっぽんぽん!」
 暎子ちゃん 「……誰?」