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11月25日 土  あーうー

 血圧が下がらない。血糖値も下がらない。どちらも今すぐバッタリ逝くような数値ではないが、下がらないという事実だけで、けっこう気分がヘコむ。
 ともあれバッタリ逝かないように、今週は自主2連休。
 寝たいだけ寝た日には、ちょっとだけ血圧が下がる。心臓がバクバクすることもない。
 ならば毎日、寝たいだけ寝とけばいいのだろうが……誰か野良狸に餌付けしてくれる方はいないか。

          ◇          ◇

 さて、時事ネタはなるべく控えているのだが、今日は久しぶりに、少々。

 
高校生にキスの教諭、免職取り消し「真剣に交際」と認定

 
交際していた少女にキスをしたなどとして、埼玉県教委から懲戒免職処分を受けた同県東部の公立中学校の教諭だった20代男性が、県に処分取り消しを求めた訴訟の判決が24日、さいたま地裁であった。針塚遵裁判長は「将来を見据えて真剣に交際していた」などと認め、処分は裁量権の乱用だとして取り消した。
 判決によると、元教諭は教諭になる前の2015年3月にアルバイト先の学習塾で知り合った、当時中学生だった少女と交際を始め、教員になった同年4月以降、高校生になった少女と複数回キスや抱擁をするなどした。保護者が交際に気付き、県教委は同12月、元教諭を懲戒免職にした。
 判決は「生徒を教え導く立場なのに、生徒に言われるがままに非違行為に及んだ。思慮が浅すぎる」などと批判する一方、「交際は生徒が積極的に望んだ」などと認定した。
 県教委の懲戒基準は「18歳未満にわいせつな行為をした職員は免職または停職」と規定しているが、判決は、2人は真剣に交際しており、著しく悪質な行為とはいえないと判断。処分は「社会観念上、著しく妥当を欠く」と結論づけた。
 小松弥生県教育長は「判決を詳細に検討する」との談話を出した。(小笠原一樹 2017年11月24日21時13分 朝日新聞デジタル)


 見出しだけでは記事の内容がカケラも想像できないので、思わずクリックして読んでしまった。近頃、この手の、まったく訳の解らない見出しを多く見かけるが、もしかして、本文を読ませるために、わざとやっているのだろうか。
 ともあれ、なんでもかんでも児ポ扱いしてしまう風潮の昨今、このようにラブラブに寛容な裁判長も、まだ存在するのだ。ありがたいことである。愛さえあれば年の差なんて。
 だいたい、気の合った教え子の卒業を待ってさっさと妻にしてしまう女子高の先生とか、昔は珍しくもなんともなかった。

 
山本・前地方創生相「何であんな黒いのが…

 
前地方創生相の山本幸三・自民党衆院議員(福岡10区)が、北九州市内で23日に開かれた三原朝彦・自民党衆院議員(同9区)の政経セミナーの来賓あいさつで、三原氏が長年続けるアフリカとの交流について触れ、「何であんな黒いのが好きなんだ」と発言していたことがわかった。
 山本氏は事務所を通じ、「人種差別の意図は全くない」と説明している。
 山本氏は三原氏との交友関係を強調し、「ついていけないのが(三原氏の)アフリカ好きでありまして、何であんな黒いのが好きなんだっていうのがある」と述べた。
 山本氏の事務所は24日、読売新聞の取材に対し、「(山本氏は)昔、アフリカを表現する言葉として使われた『黒い大陸』という意味で言ったと話している」と説明した。(最終更新:11/25(土) 18:41 読売新聞)


 わははははは。やっぱり団塊の世代にはこーゆー方が多いから、いっとき『ちびくろサンボ』が絶版になったりもしたのだろう。
 近頃、漆黒の方々といっしょに働く機会が多い狸としては、以前にも述べたように、人類は肌が黒ければ黒いほどいい匂いがする、そんなしょーもない認識で生きているので、山本さんも一度じっくり、真っ白・真っ黒・中間色、そんなカラー・バリエーション豊かな方々と入り乱れ、カタコトで交流してみていただきたい。
 しかし各色交流を各国政界の方々に限定してしまうと、ますます「何であんなのが」になってしまう恐れもあるので、なんかいっしょに汗をかける現場がいいですね、なーんも深く考えず、いっしょに体を動かして。

          ◇          ◇

 さて、湯豆腐でも食いながら、録画しておいた『いい旅・夢気分』や『日本発見シリーズ』や『ブラタモリ』を見るとしよう。
 今回の『いい旅・夢気分』には、久々に太川・蛭子のバス旅コンビが出ているそうだ。まったりとして、狸の血圧も下がるだろう。


11月18日 土  シン・ボクラハミンナシンデユク

 歳のせいか、たいがいの訃報に免疫ができた(つもりだった)狸も、先日、声優・鶴ひろみさんの訃報を聞いて、一瞬、頭蓋内がブラック・ホールになった。享年57歳。若すぎる。狸より3歳も若い。死因は大動脈剥離だそうだ。狸の亡父も解離性大動脈瘤破裂で死んだが、64歳まではピンピンしていた。

 巷では『アンパンマン』や『ドラゴンボール』が、鶴さんのキャリアの筆頭にあげられがちだが、狸にとっては、なんといっても『ペリーヌ物語』である。アニメに登場する少女を本気で嫁にしたいと思ったのは、あれが最初で最後であった。それ以前にハイジを育てたいと思ったことはあるが、さすがに嫁にしたいと思ったことはない。思えばそれ以前もそれ以降も、慕った娘は実生活上に何人かいたが、いわゆる二次元キャラを実在レベルで恋い慕ったのは、間違いなくペリーヌただひとりである。その声の主が、声優デビューしたばかりの18歳の少女、鶴ひろみさんであった。その後、実は小学生の頃から子役や少女モデルとして活躍していたことをアニメ雑誌で知り、あわてて記憶の中のロリ倉庫を引っ掻き回したりもした。

 それにしても大動脈剥離という症状は、ほとんど前触れなく、突然の激痛に見舞われると聞く。鶴さんは首都高を走行中、そんな症状に襲われながら、きちんとハザードランプを点けて停車してから亡くなったという。
 しっかり者のペリーヌらしいというか……子役の頃の、日本人形的なたたずまいを彷彿とさせるというか…………。

          ◇          ◇

 録画しておいた『シン・ゴジラ』を観る。
 後半、カットしたくなる冗長な部分や、ちょっとついて行くのがしんどい展開もあったが、全体的には、なるほど力作であった。庵野&樋口の実写作品として、最も完成度が高いのは間違いない。欲をいえば、今回のゴジラは、あまりに神っぽ過ぎて、もっとナマの怪獣っぽさを楽しみたかった気はする。
 もっとも個狸的な感想だと、シリアス方向の怪獣映画としては邦画『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)、能天気方向としては洋画のエメリッヒ版『GODZILLA』(1998)、それらを最後に、怪獣映画っぽい怪獣映画は一度も観ていない気がする。
 最近の『キングコング 髑髏島の巨神』は、ヤケクソの怪獣島を舞台にしているらしいので、100円レンタルや無料の放送が待たれるところだ。


11月11日 土  ぼくらはみんな死んでゆく

 なにを今さらのタイトルではあるが、どうせほっといても死ぬんだから、いつも世話になっている電車に思わず飛びこんだり、見ず知らずのキ●ガ●の口車に乗って、金を盗られた上でバラバラ死体にされたりする前に、もうちょっと様子を見ててもいいんじゃないかなあ、とまあ、そんな気持ちで。

 かくある狸も、確実に死は遠くないわけである。
 このところ血圧がちっとも下がらず、夜中にちょっと不安な夢を見て目を覚ましたら心臓がバクバクと当狸比1.5倍のイキオイで脈打ち続けたり、仕事中にいきなり同様の頻脈が始まったり、といって胸が苦しいわけでもなんでもなく、ただ「うわあ、こんなバクバクのまんまで生き続けるのは、なんか一生せわしなさそうでヤだなあ」などと思っているうちに2〜3分で普通に戻ってしまう、などという事態が生じ、本日、いつもの医者に行った折りに相談してみたら、「ああそれは典型的な高血圧の自覚症状です」と即答されてしまった。ちなみに病院で計った血圧、上が170で下が100。わはははは、こりゃ高い。加齢で済ませられる数値ではない。まあこの歳だと自律神経の失調なども考えられるが、このところの血圧上昇が主因であるのは間違いなさそうだ。
 と、ゆーわけで、今までよりも強力な降圧剤を処方されたわけだが、薬代は100円ほど安くなっていた。なんじゃそりゃ、とマツキヨの薬剤師のおねいさんに訊ねてみたら、今回の薬にはジェネリックが出ており、そのぶん安いのだそうだ。じゃあ、こないだっからちょっとフトコロに厳しい糖尿の薬はどうなのか、と訊ねたら、残念ながら新薬で、ジェネリックはまだ出ていないとのこと。

 巷には、降圧剤なんて不要と断じる意見も多いようだが、さすがに塩分を控えようが煙草を減らそうが小揺るぎもしない亡父譲りの本態性高血圧を誇る我が身、死ぬまでバクバクしてるのはパスである。
 それにしても、あんだけバクバクしても小説や映画のおっさんのように「うっ! し、心臓が!」とならない狸、心臓そのものだけは強いような気がするが、どうか。

          ◇          ◇

 先週図書館で借りた『みんな芸の虫』が大層面白かったので、同じ京須偕充氏の著書『志ん朝の走馬灯』(ちくま文庫・2009)を借りてくる。さほど古い本ではないのに、もう書庫行きになっていた。
 図書館の棚ですら、ちょっと人気がない本はすぐに取り払われてしまうほど大量の新刊が垂れ流されるこの国の出版界、ほんとに不況なのだろうか。やくたいもない本を、垂れ流しすぎてるだけなのではないか。
 ともあれ、書庫になら、京須偕充氏の著書はかなり所蔵されているようだ。亡くなった芸人さんや、消えた風物に関する書物ばかりだが、狸には、かえってそのほうが望ましい。一度死んだ人は二度と死なないし、消えた風俗や風景は、これからも永遠に変わらない。

 ……でも、そのうちVRか何かで、しっかり復元されたりしてな。音や感触まで。


11月04日 土  雑想

 今日明日と二連アブレ日。
 そんなにラクできる経済状態でもないのだが、一般世間では三連休の人も多いようだから、まあ良しとしよう。

 で、今週は、ちょっと愚痴をこぼしたい。
 日本の若い非正規労働者たちよ、もっと年寄りをいたわってくれ。
 そりゃ軽作業の時給しかくれない検品現場で力仕事したくない気持ちも解るが、検品物の最後の荷積み担当が外人の若者と狸ら還暦過ぎの国産老人ばっかしってどうよ。「早い者勝ちだい!」と言わんばかりに、楽な卓上の検品作業にわらわら収まるその根性、ちょっと情けないと思わんか青年たちよ。

 などとぐちぐち愚痴りつつ、他の現場では、労を厭わない健気な日本の若い衆も多いんですけどね。今週はちょっと運が悪かった。

          ◇          ◇

 いつもの古本屋で百均を漁るが、掘り出し物は発見できず。
 一般コーナーで『みんな芸の虫』(京須偕充著・平成元年・青蛙房)という大層面白そうなハードカバーを見つけるが、1000円の値付けに懊悩してしまう。いい歳こいて野口先生ひとり相手にビビるなよ、とおっしゃる方もあろうが、狸にとっては予算の10倍なのである。
 しかし昨年までとは違い、今年の狸には、常に力強い味方が同伴している。
 で、店を出て、さっそくスマホをつるつると。
 おお、AMAZONだと、状態を気にしなければ1円+送料で出品されている。で、最寄りの図書館の蔵書検索だと――やったね! 書庫に所蔵あり! さっそく予約だ! ぽちぽちつるつる。

 いやあ、すごい時代になりました。狸のような爺いでも、もはやスマホ抜きには生きられません。
 でもやっぱり、あいかわらず人混みでトロトロやってるスマホ野郎やスマホ女郎は、すみやかに電子の世界に旅立ってほしいものである。

          ◇          ◇

 ヒストリーチャンネルの『日本発見』シリーズ再放送、奈良県と京都府まで南下。
 なんぼ昭和30年代中期のドキュメンタリー番組とはいえ、奈良県のナレーションでいきなり「貧乏県」とカマされたのには驚愕した。まあ歯に衣を着せぬシリーズゆえ、今までも「貧乏県」呼ばわりは多々あったのだが、当時、山形の洟垂れ小僧だった狸にしてみれば、奈良県には花の大東京とはまた別方向の、高貴な古都っぽい憧れを抱いていたわけである。しかし確かに、雅な古都だったのは奈良県の中でもナントオオキナヘイジョウキョウのあった盆地部あたりで、県の南側は山形と大差ない、山また山の土地柄だったのですね。でも番組後半では、奈良ドリームランドのナウい光景や、古寺の国宝級の仏像たちが対照的に描かれ、やっぱり山形とはまったく違った激動の歴史らしいのであった。
 それにしても京都府は、当時から観光収入が年間260億円もあったのですね。なまねこなまねこ。

 しかしこの番組で、関東以南の各府県の位置を、日本列島というジグソーパズルのどのあたりにはめこんだらいいか、あらためて(県によっては生まれて初めて)学んだりしている、当時に変わらず未就学児童なみの狸です。


11月01日 水  まだ

 タマ 「やっほー! まーだだよー!」
 暎子ちゃん 「ああ、これはもーまったく、まだですねえ」
 マトリョーナ 「ちなみに私のレギュラー化は決定いたしましたので、しぶとくタロウを狙い続けます」
 暎子ちゃん 「……柳刃、研ぎ研ぎ」