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04月25日 水  世界崩壊の序曲

 おお、なんとゆーことだ。狸が投票した方が、市長に当選している。
 いかなる選挙においても、狸が投票した人物はことごとく落選するものとばかり思っていた。
 いよいよ世界の歯車が壊れかかっているのだろうか。

 などと言いつつ、だいぶ前の県知事選挙のときも、実は投票した人物が当選している。もっともそのときは、最有力候補であるモリケンさんしか、まともな候補がいなかった(あくまで当狸比)。それゆえ、かなり良くない噂も聞かれる保守派のモリケンさんに投票せざるを得なかったのだが、その選択は誤っていなかったように思われる。少なくとも阿倍さんほど仲良しなあなあ路線は走っていない。どっちかっつーと、その前に長く県政を仕切っていたリベラル派の方々のほうが、仲良しなあなあ路線で無駄遣いが多かった気がする。

 ともあれ、こんな貧しい狸でも、税金はしっかり持ってかれているのだから、ちゃんと投票しないと損なのは確かだ。

          ◇          ◇

 ころりと話は変わって、そういえば昔『世界崩壊の序曲』という映画があったのを思い出し、今、ネット検索してみたら――おお、どうやら世間では『史上最低のパニック映画』扱いされているらしい。
 まあ、確かにクライマックスの巨大ホテル大爆発はセコかった。ホテルのミニチュアさえ作らず、実物に爆発の炎や煙を合成しただけという究極の尻つぼまり特撮っぷりに、狸も呆れた記憶がある。とはいえ少なくともそこに至るなんかいろいろは、一流の役者さんたちによる手堅いなんかいろいろで、それなりに楽しめた。当時、確か池波正太郎先生なども、好意的な感想を書いていらした記憶がある。池波先生は特撮おたくとは無縁の方だから、あくまで作劇や役者の演技を楽しんでいたのだろう。

 またぞろ爺いの愚痴になるが、最近のリアルなCGによる大爆発や世界崩壊だって、ドラマが面白くなければ、「ああ、また動くマット画の羅列か」ですもんね、ミニチュア特撮育ちの狸としては。


04月22日 日  市長選

 自主アブレ日。例によって明け方までポコポコし、昼過ぎに起き出す。
 いやあ、もうすっかり夏ですね。そして明日には秋になるらしい。来週あたりはきっと冬だ。

          ◇          ◇

 夕方、買い物前に、近所の小学校に侵入する。残念ながら女児はひとりもおらず、大人が集まって市長選挙をやっていた。人間の爺いに化けた狸も投票できるので、狸穴の管理人さんがイレコんでいるイケメンの方に投票する。いや、別に義理でもイケメンに惹かれたわけでもいないんですけどね。ぶっちゃけ、他の方がみんな保守系だったんで。
 まあ狸も感情右翼・心情右翼っぽいイキモノではあるのだが、いざ選挙になると、なんでだか寝返ってしまうのよなあ。

 ところで、狸が投票した夕方6時頃、投票率はまだ30パーにも届いていなかった。
 このままでは民主主義がアブナイのどーのこーのと新聞でもテレビでもネットでも大騒ぎしつつ、狸穴の御近所の70パーの方々は、民主国家に生きている自覚が元からないのだろう。
 ちなみに公約で、同性パートナーシップや夫婦別姓に言及しているのは、そのイケメンの方だけであった。


04月21日 土  恥ずかしい本を買う

 こーゆー本を、つい新刊書店のレジに運んでしまいました。

 新刊を購うのは、何ヶ月ぶりだろう。まして雑誌形態の新刊など、ことによったら前の冬期オリンピックの年以来なのではないか。確か、つげ義春先生が特集された芸術新潮。その記憶が確かなら、実に四年に一度の椿事なのであった。
 だいたい狸は大の猫好きではあるが、写真集やムックを眺めてニヤつく趣味はない。ほぼ毎日、生きて動く猫に夜食をタカられているし、あとはテレビの『世界ねこ歩き』とか、たまに覗くYOUTUBEの動画だけで充分だ。とくに猫系ムックは、パラ見するかぎり野性味のないオシャレな猫の写真が多く、むしろ好きではなかった。しかし小松大先生に関わる猫記事が載っているとなれば、話は別である。
 小松大先生の猫漫画原稿は、販促の惹句にあるほど猫っぽい原稿ではなかった。長編ドタバタ時代劇の一部らしい3枚は、あくまで人間同士のチャンバラに、フィリックス・ザ・キャットに似た黒猫が絡んでいるだけで、写真もさほど大きくない。
 ともあれ、小松大先生の猫遍歴と小松家の猫たちの写真は、新しい記事として改めて接すると、たいそう懐かしく楽しかった。

 ところで、猫とは関係ない話だが、小松大先生は、昔の御自分の漫画作品を見つけると、片っ端から破り捨てていたそうだ。
 さすがである。
 狸などは高校から大学にかけてちょこちょこと描いた漫画を後生大事に保存しており、「へたくそなところがまた可愛い」などと懐旧に耽ることもあるが、さすが知の巨人・小松左京、己の挫折を懐かしむほどユルい方ではなかったのである。

 そういえば高橋克彦大先生も、無類の猫好きで知られている。
 ユルんだまんま最期まで挫折を貫きそうな小動物の狸としては、ただ『猫が好き』という部分だけでも、そんな巨人たちと共通しているのが嬉しい。


04月17日 火  ぽこぽこ

 ふと気づくと、あっという間に6日が過ぎたりしているわけである。
 その間の詳細な記憶はない。死ななかったことだけは確かである。
 猫耳物件がいつもより増量しているので、たぶん探食活動以外は、主にそっちをポコポコしていたように思われる。
 
 一期は夢よ、ただポコれ。


04月11日 水  暴風う〜

 三匹の子豚。
 ……前にも言ったような気がするな、このシャレは。
 ともあれ本日は雨こそ無縁の晴れ時々薄曇りだったものの風がハンパではなく、三階のトラック・バースから東京湾上空へとマジで飛翔できそうなあんばいであった。どこぞから舞い込んだコンビニ袋やら洗濯物やらが、あっという間に南から北へすっとんで行ったりもする。
 先週もしばしばそんな日があり、今日を含めていずれの日も、いつもなら明瞭に見えるスカイツリーが朧に霞んでいたり、甚だしい日にはまったく見えなかったりする。湿気もなければ、曇天でもないのにですよ。
 つまりこの強風が、なんじゃやら濁った空気そのもの流れであるとしか思えない。
 まあ幼児から空中散布された農薬を吸って育ち、光化学スモッグの下で遊んできた狸なので、今さらPM2.5くらい吸いまくっても死なないとは思うのだが。

          ◇          ◇

 なんじゃやらアディダスの広告で、臑毛を脱毛していないモデルさんが、多くのネット人の顰蹙をかっているらしい。
 いやそれが自然でいいじゃないかと言う意見も当然あり、狸もそっちに与する。
 たとえばロリでも、ロリゆえにまだお手入れなんぞ始めず、膝から下がけっこう毛深かったり、唇の上にうっすらと髭が認められたりするロリが散見されるが、あれは、とてもナチュラルで好ましい。成人女性の脇毛も嫌いではない。まああくまで狸の個狸的な好みだから、すべての人類に類人猿化してほしいとも思わないが。
 いいじゃないですか、ハゲでも辮髪でも、カワラケでも熊の毛皮でも。いろいろあって、みんなドドメ色。


04月08日 日  さよならだけが人生だ

 高畑勲先生も逝ってしまった。
 故郷の古い映画館で『パンダコパンダ』を観ながら、ちみっこたちといっしょに狂喜乱舞していた中学生の自分を、昨日のことのように思い出す。狸にとっての高畑崇拝は、あの日から始まった。そしてテレビの『ハイジ』で神を見いだした。それらの作品には宮崎先生のエッセンスも大量に含まれていたわけだが、演出はあくまで高畑先生の仕事であった。宮崎先生主導の作品にぶっ飛んだのは大学時代の『未来少年コナン』からなので、最初の神はやはり高畑先生。つまり今に至るも、狸に精神的ビッグ・バンをもたらした演出神は、高畑先生ひとりである。
 アブレ日の本日、迷った末に、久々に『平成狸合戦ぽんぽこ』を観る。『かぐや姫の物語』は、あまりに遺言そのものな気がして、今は観る気になれない。

          ◇          ◇

 感性をもって理屈に化けるか、理屈をもって感性に化けるか――。
 化け狸の神としてはどちらもアリなのだろうが、狸はやはり、より自分から遠い高みに存する、後者の神を崇めたい。


04月05日 木  甘い狸、甘い人々

 血圧と糖尿の薬を毎月もらっているクリニックで、先月やった血液と尿検査の結果を聞いたら、血のHbA1cが6.8で尿の糖定性が3+と、あいかわらず糖尿病の入り口をウロウロしているらしいのだが、いわゆる昔ながらの血糖値だけ、288と過去最大に達していた。
 まあ先月は飯を食った後に血を抜いたので(近頃はHbA1cのほうを重視するから、別に空腹でなくともかまわないと医者に言われていたのである)、たぶん一日中で最大の値を示したのだろうと思うが、それにしても高い。そろそろ口渇とか多飲とか頻尿とか、自覚症状が出てもおかしくない数値らしいのである。ところが狸自身は、そうした自覚がまったくない。だいたい血糖値が正月から100以上も増えてるのにHbA1cは変わっていないって、どーゆーことよ。
 まあそこらへんはお医者さんもムニャムニャ言うだけなので、とりあえず今の薬を続けることにする。
 ちなみに血圧のほうは冬場よりどーんと下がっているので、いきなりポックリ逝く確率は、血圧系マイナス糖尿系プラスの勘定で、正月あたりとトントンくらいか。
 ともあれ血圧が下がったぶん、昨日土俵で倒れた舞鶴市長のように、いきなりクモ膜下出血を発症する心配は、多少は減ったと思われる。
 ところで、昨日の「女は土俵から下りろ」とか、先頃の貴乃花親方の件とか、現在の相撲協会というところは、大デブが大デブのまんま後期高齢化してしまった、そんな体調になっているようだ。血も尿も、お汁粉のようにトロトロと甘いのだろう。
 ちなみに現在の狸は、身長172の体重71。すでに大デブではありません。糖尿同様、デブとしても出入り口をウロウロしてる状態です。


04月01日 日  エイプリル・フール

 一般企業によるエイプリル・フールのネタはほとんど理解でき、とくに例の『飲むフォトショップ』などは大笑いできたが、アニメやコミックやゲーム関係企業のネタは、悲しいかな、ほとんど理解不能である。ここ十数年の元ネタそのものを、ほとんど知らないのだから仕方がない。
 前世紀までは、狸も確かにおたくだったはずなんだがなあ。
 ……でもまあ、いいや。
 どうで半白髪の老いぼれ狸、今世紀の出来事などはことごとくウソンコのネタであっても、短い余生に大した影響はない。
 などと達観を装ってうそぶきつつ、NHKで放送された前後編のドラマ『どこにもない国』とか、図書館で借りてきた『日本奥地紀行』とか、前世紀や前々世紀の事柄に関しては、相変わらず興味津々で接している。

 いつの時代も、いろいろあってみんなドドメ色。