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08月25日 土  カユい……

 つまり先週の金土日の三日間だけだったのだな、東京湾岸のサワヤカな夏は。
 ……わかった。もー、なにもゆーまい。
 背中とケツとキ●タ●周辺を掻きむしりながら死んでやるわ。

 などと言いつつ、背中とケツとキ●タ●周辺を掻きむしりながら、狂気のような炎天下を江戸川まで這っていく。
 川風の吹き抜ける橋の下で死にたかったのである。
 橋の下で川風に吹かれながら小一時間死に続け、のそのそと蘇生。
 ……橋の下、すげえ。
 ちゃんと乾いてるぞ背中。まあケツとキ●タ●周辺はシケったままだが。

 しかし、こんな地獄のような炎天下でも、河川敷のグランドでは、小学生っぽい野球チームが、健気に練習しているのであった。
 無論、昨今の風潮に合わせて、コーチのおっさんは十二分に注意をはらっているだろうし、送り出す親御さんだって、くれぐれも無理はするなと愛児に言っているだろう。
 そして子供たち自身は――わはははは、むちゃくちゃ元気なのね、みんな。

 まあ確かに、狸自身の小学生時代の夏休みを思い起こしても、野球やサッカーは大の苦手だったものの、なんじゃやら炎天下でトタパタしていた記憶は多い。駆け回ること自体は、けして嫌いではなかったのだ。そんな図書館小僧の大デブがトタパタしていたくらいだから、すばしっこい連中などは、それこそ、ここを先途と駆け回っていたのだろう。
 死なないために生きてたわけじゃないもんね。

 風立ちぬ。いざ、生きめやも。
 ……しかしこの背中とケツとキ●タ●周辺の汗疹だけは、なんとかならんか。


08月19日 日  すすしい……

 金曜あたりの夜風はカラカラで肌寒いほどで、土日も涼しいと気象予報士のおねいさんが言うから楽しみにしていたのだが、やはり気温も湿度も、少々上がってしまった。
 しかし木曜までの獄暑とは別の国のようにサワヤカであることに違いはなく、昨日は、久しぶりに旧中川から荒川沿いを、下流の浦安方面に向かって徘徊。
 そのまんま河口をめざせばディズニーランド近辺に出るはずなのだが、さすがにディズニーシーで遊ぶ余裕はなく、途中で南砂町方向に進路変更、久しく訪ねていなかった南砂駅近くの古本屋をチェック。
 戦利品は現代教養文庫の『怪談 ―民俗学の立場から―』(今野圓輔著・昭和32年)。美品なりにちょっと高めで、500円の値付けだったが、今月前半の賃金がまとめて振り込まれたばかりなので、迷わず購う。近年も中公文庫で復刊されたりしている好著だが、やはりオリジナルの風合いがいい。当時の怪談映画のスチル写真や、七代目一龍斎貞山師匠の高座姿がリアルタイムの風俗として掲載されており、いかにも狸が生まれた年を基準に、過去の民俗を俯瞰する感覚が楽しめる。
 本日は体を休めるため、近所の図書館とショッピング・センターでロリ見――いや違う、書見と買い物。

          ◇          ◇

 当狸穴の伝言板に、谷口敬先生の涼しげなカットをいただいた。
 ちょうど谷口先生のコミケ本や、短編の掲載された同人誌をアレコレしているところなので、偶然ながら、よしよしとモフっていただいた気分である。

 茹だっていた脳味噌が久々にクールダウンした感じなので、スエテナター様の掌編に、感想を入れたりもしてみる。
 どうかこのまま、サワヤカな秋になってほしいものである。


08月15日 水  反省だけなら狸もできる

 行方不明だった二歳の男児を山中でズバリと見つけ出した超高齢ボランティア老人の件、近頃年齢を理由にダレがちだった狸にとって、久々に衝撃的であった。世の中には、80歳近くにもなって、あんだけ『確固として存在し続けられる方』がいらっしゃるのだ。
 すなおに反省。
 老若男女を問わず、ウスラバカや既知外や廃人同様の連中のニュースばかり見せられていると、世の中に対しても狸自身に対しても、ついつい評価を誤りそうになる。
 まあ、昨今の獄暑が続く限り、自分自身の脳味噌や体をしっかり制御するのは不可能にも思われるが、とにかく反省だけはしとこうと思う。

          ◇          ◇

 などと言いつつ、やっぱりダルくてたまらんので、お盆や敗戦記念日とは無関係に、本日は自主アブレ。

 昨夜、NHKのBSで録画した納涼番組『真夏の夜の異界への旅「鬼伝」』(去年の作品の再放送らしい)を、興味深く鑑賞してから寝たせいか、てきめんに鬼に襲われる夢を見た。
 それはそれは醜悪かつ屈強そうな鬼の群れに追いつめられ、ああこりゃアガリだ、と思いつつも、いちおうヤケクソで反撃を試みると、なんじゃやら、ちっとも鬼が強くない。てゆーか、攻撃力以前に皮膚や筋肉そのものが脆く、狸の脆弱な腕力でも、簡単に腕をもいだり顔面筋肉をむしり取ったりできてしまう。
 迫り来る鬼の群れの、ビジュアル的な恐怖と素材の脆さの乖離にハイになった狸は、「わははははははは」などと狂的に大笑しつつ、ぐっちゃんぐっちゃんと鬼どもをシマツし続けるが、そのうち、なんじゃやら自分のほうが一方的に弱い者イジメをしているような罪悪感にとらわれてしまい、「ああだから鬼さんもうそーゆー恐い顔で襲撃してこないでよ勝ち目ないじゃんこれ」などと内心で嘆きつつ、それでも後から後から迫ってくる鬼のビジュアルだけは圧倒的にグロで恐ろしいので、しまいにゃ「ひんひんひん」などと泣きながら、ひたすらぐっちゃんぐっちゃんぐっちゃん……。

 まあ、目を覚ませば済むだけのことだったんですけどね。

          ◇          ◇

 なんの脈絡もなく、ダルさの緩和のために、一曲。

          


08月12日 日  極熱と緩慢

 蒸されているという感覚を越えて、茹でられている実感の日々。
 気温自体は先週までの獄暑ほど上がらないようなのだが、とにかく湿気が90パーとかカマしてくるので、活動中は汗の引きようがない。とにかく仕事以外の時間は、冷房の効いた空間で、全身全霊をもって体を休ませている。
 この土日も例によって自主アブレにし、買い物と洗濯以外は、ただひたすら体を休ませていた。エアコンも在穴時はほぼつけっぱなしである。次の電気代の請求がそら恐ろしい。
 狸自身の行動が緩慢なのに合わせてか、パソもケーブルテレビ機器も、すべての動作が緩慢である。
 昨夜などは、エアコンのある部屋のパソのハードディスクが摂氏50度を越え、ピーピーと警告音を発してきた。エアコンの風向きを変えてやったら警告音は止んだが、狸自身が「きえええええ」などと奇声を発しながら熱暴走しそうなあんばいである。
 どっちも夏が終わる前に焼き切れたりしないのを祈るばかりである。

 などと言いつつ、島豆腐の冷や奴は旨い。以前にも記したが、狸の幼時にご近所の豆腐屋で作っていた木綿豆腐は、ここまでではないが、かなり固かったのだ。今のパックの木綿豆腐は、甘くて軟らかすぎる。
 図書館で借りてきた『ぼくらの思い出アルバム 昭和夏休み大全』も旨い――いや、茹だった脳味噌に、ひたすら心地よい。
 台所の床で平面猫化しているミケ女王様も、冬場より抵抗が少ないのでモフりやすい。
 すでに未来がない爺いとしては、茫洋たる過去と些細な今があるだけで、生き続ける理由も充分にある。


08月08日 水  雑想

 なんか頭がウスラボケっとして、ぶっ倒れそうな気がしたので自主アブレ。

 まあ先日はさほどの気温ではなかったのだが、その代わり湿度は高く、まさに首筋のタオルが順調に熟成発酵するタイプの、いつもの夏日。
 本日は台風接近のため久方ぶりに雨、気温もさらに下がった。ほとんど発汗せずに買い物ができるのは、いったい何日ぶりか。強風で傘がオチョコになっても、嬉しいくらいのものである。などと余裕をコイていられるのは、傘が、オチョコになっても壊れずに元にもどせるタイプの、高級品だからである。まあコンビニで買った数百円の傘を高級というのもちょっと哀しくてアレだが、これまではその半分のドンキ物件を使っており、オチョコになるたんびに、泣きながら燃えないゴミに出していたのだ。
 貧すりゃ鈍す、というやつですね。値段は倍でも壊れにくほうが、長期的にはフトコロに優しいに決まっている。しかし、その差のたった300円が、今の狸には、今日の糧に響いてしまうのである。

          ◇          ◇

 エテナ様――じゃないや、今はスエテナター様ですね――も、狸の猫耳物件を読んでくださっているとのこと。
 あんなユルユルなロリおた丸出しの話を、童話や純文学系の方に読んでいただくのはしこたま恥ずかしい気もするのですが、考えてみれば、あれを読まれて恥ずかしくないのは自分自身だけみたいな気もするし、まあ、猫が好きな方なら、にゃんこラブな部分だけでも楽しんでいただければ何よりです。
 ところで狸も、スエテナター様のスウィルビンとか魔法使いの短編とか、しっかり読んでいたりします。いずれ脳味噌がしっかり固形化したら、感想も入れさせていただきたいと思います。
 今は、にゃんこをモフるのが精一杯の、心身共にヨレヨレな日々でして……。


08月05日 日  いちおう宣伝

 だらだらと続く猫耳話、いよいよ激動のクライマックスに突入!

 ……まさか本気にする人はいないよなあ。
 そもそも、読んでくれる方なんて絶滅寸前だし。

 それでもたぶん、いつか終わるまで続きます。


08月04日 土  なるほど初体験レベルの獄暑

 例年、猛暑の時期を迎えると、うっかり首にタオルを引っかけたまんま長時間働いてしまい、帰穴して風呂に入ると首筋に激痛を覚えて「うぎゃあ」と跳び上がる、そんな経験をしていた。汗びっしょりのタオルが、水分の蒸発と汗の追加の間断なき反復によって塩分や排出物の濃度を極端に高めてしまい、首筋に炎症を生じてしまうのである。
 ところが、ふと気づけば、今年はその経験を一度もしていない。例年より遙かに大量に発汗しているのに、そもなにゆえであるか――。
 答は簡単、あまりに汗が大量すぎて、首にかけたタオルを頻繁に絞っているからである。それはもう、汗だけでじゃあじゃあと絞れてしまう。当然、塩分濃度も排出物濃度も常に一定、煮詰まったり熟成発酵したりする暇がない。
 ところで、首筋に濡れタオルを巻いとけば涼しいですよ、などと涼しい顔でおっしゃるお育ちのおよろしい都知事の御婦人がいらっしゃいましたが、タオルの水分が蒸発する暇(っつーか環境)がまったくない場合、それはやっぱり、常に自分の脳味噌と同じくらいホットです。

 そんな、理屈で言えば連日死人が出ても不思議ではない環境で、国籍も性別も老若もまちまちの非正規労働者が、不思議と誰も死なないまま、とたぱたと動き回っている。
 まあ冷房抜きに耐えられない方々は冷房のある環境を求めてそっちに行っているだけのことなのだろうが、えてして冷房の効いた職場ほど、なんじゃやら精神的にも冷え冷えとしたりしていることが多く、その日暮らしの最下層民にとっては、けっこう辛気くさくて耐え難かったりしがちなのである。
 体の荷重と心の荷重、どっちもラクな現場には、きっと文部科学省のエラい人とかが居座っているのだ。まあ下っ端のお役人なんぞは、けっこう心の荷重が大変で年中ヒイコラ言ってる場合も多いのだが(狸の亡父もけっこうヒイコラな地方公務員でした)、あの世界は、不思議にラクな道の好きな人材がトントンと出世できたりもしがちである。

     ◇          ◇

 今週も例によって、命を惜しんで連続自主アブレ。
 なんやかやの雑事を済ませて帰穴すると、例によってミケ女王様が同伴帰穴。ブチ下僕は、裏の日陰に籠もっているのか、今日は姿を現さない。
 ミケ女王様もバテ気味で、ナマモノもさほど要求せず、外よりはなんぼかマシな狸穴の台所の床にべったりと張りついていたが、江戸川の花火大会が始まったとたん、爆発音を警戒して、そそくさと立ち去った。たぶんブチ下僕といっしょに、裏の物置で空襲警戒態勢に入ったのだろう。
 狸自身は、すでに江戸川の土手に向かう体力も気力もなく、窓の彼方に上がる花火をちょっと眺めたのち、ポチポチとパソに向かう。
 久々に猫耳物件を更新できそうだ。


08月01日 水  あづい

 タマ 「わぢぢぢぢぢぢぢ……」
 暎子ちゃん 「あちちちちちちち……」
 マトリョーナ 「горячийчийчийчийчий……」