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11月24日 土  あっ!!!

 というまに1週間以上も過ぎているというのは、近頃の光陰がマッハひゃくまんくらいでトばしているとしか思えないのだが、つらつらつらっと思い起こせば「今日は働き始めてからまだ2時間しかたってないのか。おかしいなあ。もう半日はたったはずなんだがなあ」と毎日のように首を傾げていたような気もするので、きっと平均すれば、1日24時間に収まってるんだろうなあ光陰。

 ともあれ昨日と今日は、自分自身の日頃の勤労に感謝しながら、ほぼ終日「あー、だりー」などとナマケモノ化していた。まあナマケモノ化する場所がいつもの図書館やショッピング・センターなので、眼球だけは常にピクピクと周囲のロリの動静をチェックしているわけだが、もはや追跡する気力もないから安全無害である。
 明日にはナマケモノからヒトに化けなおし、ややアブナい存在に復帰したいものである。

          ◇          ◇

 ところでN村さんが東征中らしく、東京は人が多い多いとつぶやいていらっしゃる。またその群衆の個々が避けるそぶりもなく真正面からぶつかってきて無言のまま去って行くと驚嘆していらっしゃる。
 そんなN村さんには、東京湾岸在住の狸として、ぜひ平日のラッシュ時の西船橋駅、とくに武蔵野線上りホーム、上り電車内あたりをお見せしたい。間違いなく都内どころではないシロモノを体感できる。恐怖の人間バッテラの流動である。そこにおいては「真正面からぶつかり合う」ことが不可能だ。四方八方が粘つくイキモノで埋めつくされている。その圧縮発酵したバッテラの中には狸も練り込んであったりして、その狸が真正面から妙齢の女性と融合発酵していたりもする。しかし痴漢冤罪で糾弾されたことはない。誰ひとり己の意志で手足の位置を決められないからである。
 ……ああ、明後日には、またバッテラの具になるのか。
 などと悲観していたら、明後日のシフトは11時からの遅番に決まったようだ。ラッキー。

 ちなみに右足の不調はまだ続いているが、左足のウオノメは、イボコロリでフヤかしたら、あっさりほじくり出せた。
 しかしイボコロリって、大正時代からイボコロリなんですね。狸の殿堂入りに認定します。



11月16日 金  雑想

 右足の不調が続く中、今度は左の足の裏にウオノメができた。四半世紀ぶりのウオノメである。
 まあどっちも今のところ不快なだけで探食活動に支障を来すほどではないのだが、老化の一端に思え、なにかと脳味噌が陰る。

 老化といえば、サイバー法案も担当する桜田義孝五輪相がパソコン音痴をカミングアウトした件、個狸的には「世代的に、まあそんなもんだろう」と、なんの疑問も抱かなかった。
 実は自前の猫耳物件の、前回更新分の末尾で、猫又娘とMIBが接触したところに総理大臣や防衛大臣や在日米軍司令官が訪ねてくる、とゆーよーな次回の展開を匂わせたのだが、考えてみりゃ防衛大臣に限らず日本の各大臣なんてのは、多少の得手不得手はあるにしろどうせ名ばかりの持ち回り名誉職なのだから、防衛大臣なんぞ出てきてもまともな進展どころかハチャメチャな進展すら成立しない、てゆーかそもそも総理が正気ならそんな奴は絶対現場に連れてこないとすぐに悟り、随行者を内閣調査室長に変えて、続きを打鍵している。もう何ヶ月も前からだ。
 パソコンにまったく触らないなら、ハッキングされる危険もまったくない適任者――そんなジョークが全世界で出回っているらしいが、まあ日本の政治家には、悪い冗談のような世界で、悪い冗談のような名誉を追求している方々が多いのである。

          ◇          ◇

 久々のアブレ日でも徘徊する気力がわかず、カウチおせんべ。
 本日は『アントマン』やら『ピクセル』やら、最近のハリウッド能天気SFファンタジー、それもコメディー寄りの映画を楽しんでいた。
 いやあ、面白うございますなあ。とくにCGのクオリティーがハンパではない。いかなる夢想もリアルに映像化できてしまう。いかなるツッコミどころ満載のシナリオでも、リアルな映像でノリノリに突っ走れてしまう。

 しかし近頃のハリウッドSF、ちょっとコワモテ顔で年増のヒロインたちが、実に魅力的である。まあ近頃に限らず『エイリアン』や『ターミネーター2』の頃からそうなのだが、エラの張った外人年増女性の大奮闘を見ていると、和ロリ指向の狸でさえ心が躍る。ぶっちゃけ、とても惹かれる。
 成ろうことなら、あれらの女優さんの小中学生時代を、ぜひ、とっくりと一日中、物陰から観察したい。
 ……見るだけよ、見るだけ。触りません。


11月10日 土  明日と言う字は明るい日と書くんだけども悲しみはやっぱり駆け足で追いついてくる

 なんじゃやら右足の調子がおかしい。足の裏、というか、もともと甲高ばんびろの右足の、親指と小指の付け根の外側が痛い。最もばんびろな部分が、さらにばんびろ化している気もする。仕事に差し支えるほど痛くはないが、今後が心配である。
 もともと狸の足は、右が左よりかなり大きい。左が26センチの靴で丁度、右は26.5〜27くらいが丁度である。今ほど貧しくなかった正社員時代、同じ革靴のサイズ違いを買って、片方ずつ履いていたことさえある。極貧の今は、利き足の右に合わせて買い、左はインソールでごまかしてるのだが、右がこれ以上膨らんだら……困ってしまってきゅんきゅんきゅうん。

          ◇          ◇

 で、そこにさらなる事件が勃発。
 どこか(たぶん海外)のヒトデナシによって、狸のデビットカード(のデータ)が不正使用されてしまった。
 カード会社も馬鹿ではないから、さっそくカードを無効にしてメールで知らせてくれたのだが、すでに口座からは3万弱ほど引き落とされ、残金は1000円ちょっと。正社員時代とはちがい、今の狸にとって、3万は4日分の日銭に等しい。一瞬、頭にウロが来たものの、「まあこーゆーときは保険で戻ってくる契約だよな。給与の振込口座は別だから、明日食う金は残ってるし」と気を落ち着けてカード会社に電話してみれば、どうも戻ってくるまでには、相当な時間がかかるらしいのである。詳しいデータが出そろったところで、自分で警察に訴えたりもしなけらばならないとのこと。
 ああ面倒くさい。
 デビットの口座は公共料金の引き落としを兼ねているので、今月末のために貯めていたぶんを、ほとんどぶっこ抜かれたのは痛い。
 しかし3万ちょっとしか入っていない口座のデビットで、うまく3万弱の買い物をするもんだよなあヒトデナシ――そう思ってカード会社のおねいちゃんの話を訊くと、手口は実に単純なのである。数万の高額品から1万弱の商品まで、ネット通販(今回はアメリカ各地のなんかいろいろな業者)で次々と申し込み、デビットだから口座残高が足りなければ契約が成立せず、結句、ドンピシャに近い買い物ができてしまう。
 どこからデータが漏れたのか定かではないが、海外の通販業者経由だとすると、過去に狸自身が、日本では入手できない各種の物件を購入している。ぶっちゃけ、かなりアヤしげなアレやナニなども入手しているので、そこいらから漏れてしまったのかもしれない。
 まあ狸もこの歳になると、極貧の非正規労働者からなけなしの金をふんだくってニヤついているどこぞのヒトデナシなどというシロモノに対しては、まともに怒る気もなれず、ただ「ほんとしょーがねえなあ、人の皮かぶった便所虫は」とか嘲笑するしかない。
 でも野生の狸は飢えれば便所虫でもなんでも食ってしまうので、月夜の晩ばかりとは、くれぐれも思わないように便所虫。

 ……なんつって、便所虫には人語も狸語も通じないから、意味ないんですけどね。 


11月04日 日  だらだら

 くそ、アブレ日に限って小雨模様だよ、などと舌打ちしつつ、録画物件が溜まりに溜まっているので、カウチおせんべ。

 NHK・BSの『未解決事件 警察庁長官狙撃事件 ディレクターズカット』、久々の大当たりであった。演出も役者さんも、劇場用映画を凌ぐクオリティー。
 近年のNHKさんは、ドラマとドキュメンタリーを混ぜこんだ作品に大当たりが多い。純ドキュメンタリーだって、編集しだいでなんぼでも偏向できてしまうのだから、いっそドラマ仕立てでとことん盛り上げてしまったほうが、テーマはより盛り上がる。まあフェイク方向に盛り上げられたら困るんだけども。
 映画では、ケーブルの『華麗なるヒコーキ野郎』(ジョージ・ロイ・ヒル監督、1975)が、しみじみ泣けた。高校時代に劇場で観たときは、スタント以外のドラマが妙に暗いと思ったりしたものだが、この歳になると、若くして懐旧の中に生を託すということの紛れもない光輝が、ストレートに脳味噌にしみる。

          ◇          ◇

 個狸的趣味の猫耳物件、ちまちまちまちまと打ち進め、例によって数十枚は増えているのだが、ちっとも話の区切りがつかない。
 ……まあいいか。
 人生がアガるまでポコポコしていよう。


11月01日 木  まだ

 タマ 「やっほー! まーだだよー!」
 暎子ちゃん 「こっちはまだで、あっちはまだまだまだまだみたいです」
 マトリョーナ 「美少女と化け猫のお話なのに、なんか中高年と宇宙人ばっかり、えんえんしゃべってるだけなのよねえ」
 タマ 「マトリョーナもまざっちゃえば? 立派なオバサンなんだし」
 マトリョーナ 「……あんたケンカ売ってんの?」