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02月29日 土  ロリのいない街

 新型コロナに関するうんぬんかんぬんはもーきれいさっぱりニュースやツイッターに任せてしまい、平日の生活には何一つ変化をきたしていない狸なのであるが、行きつけの図書館が昨日から臨時閉館になってしまったのは、さすがに悲しい。狸のテリトリー内では、土日祝日に確実に女子小学生のお姿が拝める貴重なスポットなのである。
 いや、もちろん大量の書物を眺めて精神の沈静化を図れないのも問題なのだが。

 で、その図書館が閉まっているのと関係あるのかどうかは不明だが、すぐ傍のどでかいショッピング・センターで買い物をしていたら、コロナがらみの騒動など無縁のように大量の大人が右往左往しているにもかかわらず、子供の姿が極端に少ない。女児のみならず男児も少ない。保護者の皆さんが用心のため自宅に隠しているのだとしたら、けっこうな話である。
 世間では大顰蹙をかっている阿倍さんちのお坊ちゃまの休校要請も、まあいつもの単なる場当たり発言にすぎないにしろ、狸個狸としては、実は支持しているのである。それによって種々の社会的弊害が生じても、女児の感染を防ぐ効果だけは期待できる。女児が感染しても滅多に重篤化しないウィルスらしいが、万が一の変異を思えば、感染しないにこしたことはない。女児にしばしば多大な苦痛を与えるインフルエンザだって、なんぼか感染を防げよう。

 で、女児の次に大切なのが、猫である。
 猫の日やら猫の月やらが重なって、狸穴のレコーダーは、未視聴の猫番組で満杯になっている。
 狸穴の番猫たちも、無事に冬を越せそうなあんばいである。

 この世に女児と猫がいるかぎり、狸はなんとか正気で生きていける。
 しかし女児番組や女児動画が壊滅してしまったこの令和の時代、新型コロナ騒ぎは、やはり一日も早く終息してほしい。
 そして通学路や図書館やショッピングセンターで、リアル女児たちの健やかな姿を、再び拝ませていただきたい。
 いや、見るだけよ見るだけ。触りません。
 触るのは猫だけです。


02月22日 土  パンデミック

 鼻水もくしゃみも咳も出ない。
 幸い、そういった症状が傍目でも判るような人は、今のところ周囲に見当たらない。
 しかし、新型コロナウィルスに感染してもそういった症状が全く出ない、あるいはごく軽い風邪の症状だけで自然治癒する人のほうが、むしろ多いくらいのウィルスらしいので、現在のニュース等による知識と狸程度の脳味噌では、そもそも完全隔離など不可能に思える。

 幸か不幸か、狸は高血圧も高血糖も、自覚症状が出るほど重篤ではない。したがって、もし罹患しても大した症状は出ないだろう。となれば、移されても気づかない可能性が高いわけで、ならば知らないまま他人に移してしまう可能性も高い。だから世のため人のため、できる限りの手洗いとアルコール消毒を徹底するしかない。
 本日アブレ日、買い物しないわけにはいかないので近所のスーパーに出かけたが、ぶっちゃけ狸穴の出入りごとに、そしてスーパーの出入りごとに、アライグマのごとく手を洗いアルコール消毒も徹底した。小動物は小心なのである。仕事の日も、可能な限りは徹底している。もちろん、中にはトイレの石鹸も出入り口のアルコールも平然と切らしている職場があり、水洗いや自前の消毒ペーパーに頼るしかない場合も多い。
 とにかく、他人に移さないためには、自分も移されないしかない。

 お隣の韓国で、教会を媒介に感染者が続出しているという話は、本当なのだろうか。頑固な狂信者が、自分の感染を知っても平然と隔離を拒んで教会に出入りしている、そんなニュースであった。
 まあ日本における韓国関係のニュースには、あからさまなヘイト好きによる針小棒大も多いから、今後の推移を見守るしかないわけだが――何があっても自分は天国に行けると信じてしまった人間は、やっぱり恐い。天国への道連れを増やすのも、功徳くらいに思っていそうだ。
 ちなみに現在、狸は鼻水もくしゃみも咳も出ないが、尾籠ながら、ここ2〜3日、用便時の肛門からの出血が続いている。座薬でかなり治まってきたが、座っていると、まだけっこう痛い。
 しかし、近々天国に行くよりは、ケツが痛いケツが痛いとぼやきながら末長く地上を徘徊し、死んだら他の生物の養分と化すのが、狸としては本望である。


02月15日 土  アウトブレイク

 うん、なるべく人混みには出たくないよね。
 不特定多数の人々が接触するモノには直接触りたくないよね。
 いちんち中、せっせと手を洗ったりアルコール消毒したりしながら仕事したいよね。
 とまあ、狸だって個狸的に感染対策を徹底したいのは山々なのであるが、肺炎で死ぬ前に餓死するのも厭なので、その全てが不可能である。
 中国の方々も東南アジアの方々も入り乱れた現場で、何十人が触ったか判らない商品を、日々何百個もベタベタ触りまくりながらせっせとピックしたり運んだり梱包して全国津々浦々に発送したりしながら、その日銭で生きている。
 それでもさすがに、高熱や激しい咳などが我が身に生じた場合は、しばらく狸穴に閉じこもるくらいの覚悟も蓄えもあるので、いきなり鉄砲で撃ったりしないでくださいね。
 ……でもまあ、やっぱり世界的には、インフルで死ぬ人のほうが、まだずっと多いわけであるな。

          ◇          ◇

 クリスマス物件、放流したあともちまちま手を入れていたのだが、ちょっとした勘違いや老人ボケによる齟齬をいじっただけで、大筋も小筋も変わっていない。てゆーか、変えたくならない程度には、初めから、でんぐりがえりきれていたようだ。近頃とみに日常生活における老人ボケが増えているのも確かだが、でんぐりがえりの呼吸自体は、たとえば自転車の乗り方と同じで、そうそう忘れないものなのだろう。
 ただし――亡母のアルツハイマーの進展を思い起こせば、ある日突然、人格自体が豹変し、重度の統合失調症的な破綻をきたす恐れはなんぼでもあるわけで、猫耳物件の更新分などをチェックしていると、ありゃありゃやっぱしおかしいじゃん俺、などと大いなる不安に囚われたりもするわけだが、まああれはそうした破綻を自分でまんま垂れ流すための、精神的な老人性自由徘徊なのだから、つまりこの雑想と同じ性質のテキストなので、タマが飽きるまでは続けようと思う。

          ◇          ◇

 で、映画『翔んで埼玉』を、地上波でロハで鑑賞したわけだが――ううむ、そもそも美少年が出てこない時点で、実写化の意味がないのではないか。お気楽にケラケラ笑えるという点では、まあ及第点なのだが。個狸的には、なんとなく『ルパン三世 念力珍作戦』(昭和49年)を思い出してしまった。プログラム・ピクチャーの喜劇を得意にしていた監督が、とても実写化できるとは思えない漫画を、とりあえずお仕事としてそこそこにまとめました、みたいな。

 巷で大層話題になっている『パラサイト 半地下の家族』も、いっぺん観てみたいのだが――なんとなく厭な予感もするんですよね。
 近頃のアカデミー賞受賞作や、アメリカの批評家による絶賛そのものが、なんでだかここ数年、狸にとってはハズレがちなので。


02月08日 土  でんぐりでんぐり

 鰯の頭は飾らずに食って、豆も撒かずにポリポリ食って、でもって来月はお雛様に白酒ぶっかけて食って……でも腹壊しそうだから白酒だけにしとこうな俺。

 などと言いつつ、先月末の月遅れクリスマス物件に続いて、猫耳物件の第十二話も更新しました
 さあて、でんぐりがえりは小休止、ちょっと読む側にまわってみようと思う、今日この頃の狸です。


02月01日 土  時の流れに身をまかせ

 生まれ育った山形市の大沼デパートが、ついに破産したそうだ。
 当然、米沢の支店も消えてしまうだろう。
 ああ、帰省のついでに、できたての鯉の甘煮を買う店がなくなってしまう。
 まあ鯉の甘煮だけなら、老舗の製造元も、真空パック品を扱う土産物屋もあるわけだが、県庁所在地からデパートという商業施設が完全消滅するは初めてらしいので、うわすげえさすが狸の田舎と、狸穴の中で続けざまにでんぐりがえるしか、気持ちを整理するすべがない。

 などと言いつつ、じゃあ狸が、かつてどんだけ大沼で買い物したか思い起こせば、子供の頃に月に何度か家族揃って着飾って見物に行った記憶はあるものの、たいがい大食堂の昼飯に散財するだけで、衣類などは、何年かに一度、一張羅を買ってもらうくらいだったし、子供向け玩具も、山形市内では大沼と丸久(とっくに消えた大沼のライバル店)しか扱っていないビューマスター関連品しか買ってもらった記憶がない。漫画やソノシートやプラモデルは、八文字屋やシバタモデルのほうが揃っていたし。両親も、何年かに一度、洋装の一張羅を仕立てるとき以外は、どうしても大沼の包装紙で包みたい商品、つまりお中元やお歳暮や、冠婚葬祭関係の贈答品くらいしか購わなかった気がする。
 あ、でも屋上遊園地では、けっこう遊んだな。地下の映画館でディズニー映画とかも観たな。どっちも、とっくの昔に消えたけど。

 ともあれ、爺いには、そぞろサミしい時代でございます。
 その点、現在使用中のこのパソコンは、なかなか気が利いている。OSの更新だのウィルス定義の追加だのが陰で始まるたびに、ほとんどPC−8801マーク2あたりの、ワープロ・ソフトの操作感を再現してくれる。変換キーを押すたびに、あたかも5インチのフロッピーを読みに行っているような、昔懐かしい、のどかなタイム・ラグを再現してくれるのである。たまには、今どきめったに見られない完全フリーズ状態になり、懐かしの電源スイッチ強制再起動まで経験させてくれる。
 ……閑話休題。
 大沼サイドの説明によれば、これまでもほとんどゾンビ状態でがんばっていたところ、消費税増税に頭を打ち抜かれてとどめを刺された、そんなところらしい。
 さすが阿倍さんちのお坊ちゃま、ゾンビ対策は万全である。

 で、前にも外観の絵葉書だけはここに置いた気がするが、昭和30年代中頃の、中の様子も置いておきます。
 狸が入手できた絵葉書だけなので、1階と3階しかないのは御愛敬。