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07月30日 土  シン・ユゲグニ

 国境の長いトンネルをぬけると、ゆげぐにだった。
 次のトンネルをぬけても、ゆげぐにだった。
 次の次のトンネルをぬけると、そこもまたゆげぐにだった。
 おいおい、これ、もしかしてこのまんまずーっとゆげぐになんじゃねーか、などと乗客が騒ぎ始めた後も、まだまだゆげぐにが続くのであった。
 しまいにゃスマホのニュースで、すでにこの地球全体が、ゆげぼしになってしまったと明らかになったりするのであった。
 おりしも、地球に帰還した火星探査機の土壌サンプル回収カプセルをNASAが開いたところ、プシュ〜などと、ゆげが吹き出したりもするのであった。
 かくして、果てしない宇宙は、実はゆげ宇宙であることが判明し、全人類は「あーうー」とか「もうだめぽ」とかうめきながら、未来のすべてをあきらめ、ぐったりとその場に寝そべって、それっきりずっと寝そべり続けるばかりなのであった。

 こうして全世界に、永遠の平和が訪れたのである。
 めでたしめでたし。

     


07月24日 日  ゆげぐに

 異常な気温上昇で自然発火による山火事が頻発、などという海外のニュースを聞くと、枯れ木でもないナマの山林がよくそんなに燃え広がるものだと驚いてしまうが、聞けば、湿度が20度台だったりする。
 なるほど、それならマッチがなくとも、摩擦だけですぐ燃える。
 日本は、なんぼ高温になっても、たいがい湯気の中で暮らしているのと一緒だから、蒸し上げられる危険はあるが、焼け死ぬ危険は少ない。
 快不快と幸不幸は、また別の問題なのである。

          ◇          ◇

 さて、コロナに関して痔民のオエラい方々は、もうすっかり「面倒くさいから何もやりたくない。毒性と伝染力の変化なんぞも、面倒くさいから気にしたくない。医療現場の問題も、面倒くさいからほっときたい。すべては国民の自己責任なんだから、国民みんなで頑張れ。頑張って生き延びて、せっせと俺らに貢ぎ続けなさいね」状態のようだ。
 統一教会との癒着問題なんぞも、「だって俺ら、元々詐欺師だもん。詐欺師仲間と手を組むのは当然でしょ。てなわけで、みんな余計なことは気にしないで、ありもしない神の国だか民主国家だかを夢見ながら、せっせと俺らに貢ぎ続けなさいね」状態であることは明白である。

 ただ、ヤバイ君の国葬に関しては、一部の政治ウォッチャーが指摘しているように、痔民の総意によるミエミエの特殊詐欺ではなく、まだ足場の定まらないキシダ君が、いつもの日和見を装いながらも、ヤバイ派の跡目問題を先延ばしにして弱体化させるため、狡猾かつ迅速に決断したものと、狸には思われる。国葬が無事に終わるまでは、ヤバイ派の有象無象の方々も、表立って内部抗争に走るわけにはいかない。
 ヤバイ君が根っからお山の大将タイプで、きっちりした後継者を育てなかったのを幸い、邪魔な最大派閥の顔を立てたように見せて、実は弱体化を計る――キシダ君、見かけによらず、なかなか狡猾である。

          ◇          ◇

 マイナポイントの残りの半分を、土用の鰻に投入した。
 といって、都内の老舗に出かける余裕はないし、スーパーの冷凍鰻でバクチを打って、ハズレを引くのも御免である。
 ちょっと遠いマルエツで、土用限定の真空パックを見つけ、あえてそれを選んだ。
 まだ懐が暖かかった大昔、都内のデパートで試しに購って「ほう、真空パックの鰻もここまで来たか」と感心した、老舗ブランドの真空パックである。
 他のどの真空パック品よりも高価だが、確かに鰻の味がする。甘ったるくない江戸前のタレも好ましい。

          ◇          ◇

 フクロ横のオデキの表面が、ようやく落ち着いた。フクロのことゆえシワシワで色も黒っぽいが、とにかく本来のフクロの質感に戻りつつある。
 といって、皮膚の奥のオデキ本体、つまり粉瘤腫自体が消えたわけではない。
 それ自体は悪性ではないが、表面がまた今回のような超マタズレ状態になる恐れはあろうし、何年か前に背中にできた粉瘤腫のように、ある日突然内部から化膿して膨張し、エラい目にあう可能性もある。
 しばらく様子を見て、医師が勧めるように、そっくり摘出するのが正解なのだろう。
 しかし、ちょっとでかすぎて、それなりに手間がかかりそうな話である。
 とりあえず、清潔最優先で様子を見ようと思う。医療用抗菌軟膏も、チューブ半分は残ってるしな。


07月19日 火  されど貧しき日々

 なんのかんのとボヤきつつ、年金のおかげで、屋根と壁のある狸穴は維持できている。
 日銭を得る機会が激減したとはいえ、なんとか餓死や渇死は避けられそうだ。

 などと、ありもしない余裕をコイている狸を嘲笑するように、いきなり介護保険料の請求書が、ど〜んと送られてきた。
 せっかく非課税所帯に堕ちたというのに、依然として国保料は最低限ながら払わねばならないし、その倍以上の介護保険料が、新たに追加されたわけである。
 しかし、満65歳を迎えてしまった以上、払わないわけにはいかない。
 今のところ、自分で介護保険を利用する予定はないが、母親の晩年などは、アルツのおかげで、ずいぶん世話になった。自分だって、この先いつ「ここは誰? 私はどこ?」状態になるかわからない。だからなおのこと、払わないわけにはいかない。

 狸の中のドス黒い狸は「んなもん滞納すればいいんじゃねーの?」などと呟いたりもするが、自分で振り込むのは初年度だけで、来年度からは自動的に年金から差っ引かれる仕組みだと、同封の説明書に明記されている。
 つまり、しらばっくれて払わないという選択肢すら、来年は自動的に消滅するのである。
 狸の中のドス黒い狸も、やがては真っ白な灰になって、燃えつきる運命なのである。

 なあんて、今年分も、ちゃんと払いますけどね。
 そもそも、狸1匹の問題ではない。
 ろくに福祉に回らない消費税なんぞより、今、介護を受けている人のために使われる介護保険料のほうが、よほど納め甲斐がある。

          ◇          ◇

 さて、今日のタイトルは、実は公租公課の話ではなく、下記のセコい愚痴がメインなのである。

 日銭を得る機会が激減したとはいえ、壊滅したわけではないから、たまには消耗品としてのスニーカーが必要になる。
 で、久々にメガドンキの靴売り場を覗いたら、こないだまで990円(税込1089円)均一だった中国製の安物スニーカーが、1280円(税込1408円)に値上がりしていた。
 これまで1980円(税込2178円)均一だった、ちょっと造りの良い品は、ぬわんと2480円(税込2728円)に爆上がり!

 今のところ、米や卵や納豆はそこまで上がっていないようだが、野菜類は、時として驚くほど高価な日がある。
 光熱費も、ジワジワと攻めてきている。

 マジに飢えねばならぬ日が、近づいているような気がする。


07月15日 金  ヤバイ君すげえ

 今さらヤバイ君の生前の実績を、ひとつひとつ褒め称える気力が、もはや狸には残っていないのだが……。

 ここ1週間で狸が頭を抱えてしまった、この国の中枢が堂々とカマしてくる、数多の度を過ごした忖度っぷりを見ていると、改めてヤバイ君の、プーちんに勝るとも劣らぬ洗脳技術に舌を巻いてしまう。
 いやはや、人間をやめて便所虫になった詐欺師は、たとえ死しても、国中にここまでの便臭を匂わせることができるのだ。
 しかも、まだ生きているプーちんと違って、現在手にしているミエミエの『強権』ではなく、生前に確立したナアナアの『忖度』によって実現しているのだ。
 すげえぜ日本。

 いや、日本にも便所虫じゃない国民がたくさんいると、狸も知ってはいるのだが……。
 1人の人間に、人間と同じサイズの便所虫が3匹も4匹もたかってきたら、負けるよな、ふつう。

          ◇          ◇

 世界平和統一家庭連合が、オトモダチ限定のアマアマな記者会見をやってくれたおかげで、その団体名や旧統一教会の名称は、新聞でもニュースでも、堂々と語られるようになったようだ。
 ただし、その団体がヤバイ君のみならず戦後の政財界とずっぷしであった事実は、一部のネットニュースや週刊誌や月刊誌でしか報道されない。
 まあ、それもまた忖度――いや銭勘定――それとも単に、ブン殴られるのが恐いからか。
 なにせ、相手は平和のためなら戦争も辞さないカルトだ。

          ◇          ◇

 フクロ横のオデキは、今一歩のところで、なかなか快癒に至らない。
 さすがに紙パンツはいらなくなったが、でかい絆創膏をあてがっていないと、まだ下着が汚れる。
 冗談抜きで、こんなフクロは、もういらないと思う。
 サオごと、もげてしまえばいいのである。
 排尿を制御できる機能さえ残っていれば、今の狸は、ちっとも困らない。


07月11日 月  カルトの時代

 ほう、世界平和統一家庭連合(かの悪名高き統一教会のことですね)という宗教団体名を、ネガティブ含みの事件に関連して公表することは、警察発表でも新聞でもテレビのニュースでも、もはや禁忌になっているのか。
 すごいなあ、痔民のなかよしさんは。
 もしかして『こども庁』を作る予定が『こども家庭庁』になっちまった件も、痔民の『家庭』好きが関係してたりしてな。教祖様が好き勝手に家庭を量産して中絶を禁止してくれれば少子化問題も解決する。

 ぶっちゃけ、やはり痔民党となかよしさんの肛明党にしたところで、「あまりに巨大すぎてカルト扱いできなくなってしまった某カルト宗教とウチは関係ありません」となんぼ言い張っても、票田そのものが、ずっぷしそこにあるのは今さら言うまでもない。
 そもそも痔民党自体が巨大特殊詐欺グループなのだから、被害者を洗脳してナンボではある。
 まあ、信教の自由も民主主義の大原則だから、神を拝もうが仏を拝もうが教祖様を拝もうが洗脳技術を拝もうが集票能力を拝もうがオゼゼを拝もうが、個人の自由ではある。
 でもなあ。
 政教分離、なんて大原則も、あったはずなんだがなあ。ずいぶん大昔の話ですけど。

          ◇          ◇

 ところで、今回の参院選の結果を「ああやっぱり。こりゃ当分、日本は浮かばれないなあ」とボヤキつつ、実は狸は、キシダ君には大いに期待しているのである。
 何事も、ひたすら「検討する」信念が、今となっては好ましい。
 キシダ君が総理でいてくれる限り、あのとんでもねー憲法改悪案も消費税増税も、ずるずると検討されるだけで実現は遠かろう。
 次の総理も、どうかキャッチコピー重視の日和見であってほしいものである。


07月08日 金  本音

 昨日、女子中学生二人が刺された仙台の事件で暗澹たる気分になっていたら、本日は、元総理が参院選の応援演説中に射殺された。
 どちらも犯人は40代前半の男である。
 前者は、単に無職としか報じられていない。刺した理由は、20年前あたりから定型化しつつある「誰でもいいから人を殺して刑務所に行きたかった」らしいから、自暴自棄になった失業者ではないかと思われる。
 後者は、現在の職業はまだ報じられていないが、十数年前まで海自にいたそうだ。手製の銃を見事に使いこなした手際や、とりあえずの犯行理由――警察による忖度に充ち満ちた曖昧模糊とした発表――を鑑みれば、なんであれ思想的なテロだろう。

 仙台の女子中学生は、一人が軽症、一人は重症だが命に別状はなかった。
 元総理は、出血多量で亡くなった。しかし、もし彼が元総理でなければ――たとえば通りすがりのただの女子中学生だったりしたら、あれだけ膨大な量の輸血など受けられるはずもなく、搬送後まもなく死亡が確認されただろう。

 あえて死者を鞭打たない――それが日本のみならず、世界の一般的な習わしであるらしい。
 狸も人に化けて生きている以上、ここでヤバイ君がどうのこうのと、茶化したくはない。
 しかし、ヤバイ君とその仲間たちの失政や虚言が、この国に「誰でもいいから人を殺して刑務所に行きたい」人間を増やしてしまった要因のひとつであることは確かである。
 幸い殺されずに済んだ女子中学生二人も、おそらく、これから多年に渡って、厄介なトラウマに悩まされるだろう。なんとも痛ましい。

 今さら言ってもせんないことだが――。
 もしもこの国が、国会で平然と虚言を繰り返す総理を、他の議員やマスコミ等、民意の良識によって即刻辞任に追い込める程度の民主国家だったら、どちらの事件も起こらなかったのではないか。
 その点、過去の歴史的栄光は失ったとしても、民主国家としての歴史的自負を失っていない英国が、少々羨ましい。強盗や強姦、宗教的な無差別テロなどは起こりがちだが、誰でもいいから人を殺して刑務所に行きたい失業者が見ず知らずの女児を追い回していきなり刺すような末世的事件は、ほとんど聞かない。

          ◇          ◇

 そんなことを憂いながら、今日も病院に行って、中年男性医師にフクロ横のオデキを撫でられて「あう」などと呻いてきた狸である。
 幸いオデキの表面は、かなり落ち着いてきた。症状の緩和によって、処方薬が安くなったのもありがたい。


07月05日 火  マイナポイント

 しかし、たかだか15000円ぽっちの追加ポイントさえ、選挙ギリギリならないと恵んでくれない現政権もつくづく因業だよなあ、などと愚痴をこぼしつつ、皮膚科の診療費やら薬代やら紙パンツ代やら、予期せぬ出費に汲々とする狸にとっては、やっぱり干天の慈雨なのであった。久々に回転寿司も腹一杯食えた。

 だから、今回の選挙は痔民党に――入れません。てか、恥ずかしくて入れようがない。
 せめて選挙運動中くらい、公衆の面前で老害臭やらDQN臭やら振りまきまくるのは、お願いですからかんべんしてください。

          ◇          ◇

 気を取りなおして、暑い夏には、やっぱり若大将。

     

 小学校の頃の夏、けっこうあちこちで流れていたレコードなのに、なぜか、その後はほとんど聴いた記憶がない。
 若大将映画で使われなかったからか。


07月01日 金  もうだめぽ

 などと弱音を吐きつつ、よちよちいででであづあづぐっちょんちょんと、買い物も医者通いもなんとか続けております。
 皆様方におかれましては、くれぐれも股間を清潔に保ち、このぐぞむじあづい季節をガニマタで歩くことなくお過ごし下さい。