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06月23日 金 ウスラバカな日々 |
マイナンバーカードのシステムがいかにお粗末であるかは、もはや国民の常識と化しつつあるが、保険証として使用する際の顔認証に関したニュースを聞いて、さすがに絶句した。
たとえば、国保料の不払いでアウトになった方が、知り合いのマイナンバーカードを借りて医者に行く。当然、顔認証で引っかかる。するとシステムは、暗証番号の入力を要求してくる。そこで、知り合いから聞いてきた暗証番号を入力すればあら不思議、顔が別人でも保険は有効になる。
さすがにフェイクニュースだと思ったら、どうやら事実らしい。
すげえぜ、どこのバイト君に作らせたんだ、こんなシステム。
◇ ◇
とまあ、今日も世界にはウスラバカな連中が、国家中枢から狸穴周辺まで、まんべんなく配置されている。
かく言う狸自身、立派なウスラバカなのである。
でもまあ、たまにガスが止まったり、パソコンが止まったりするものの、日々の糧だけはなんとか得られている以上、どこぞのプーちんやキシダ君のように、世迷い言を並べて他人様に迷惑をかけるのは、自重したいものである。
しかし、なんであそこまで、他人様に迷惑かけたがるかねえ。
自分にエサを食わしてくれるのは、全ての他人様だろうに。
06月15日 木 恐怖のアップデート |
狸がまだ死んでいない証拠に、週に一度くらいは、ここを更新しなけりゃなあ――。
そう思って、夜中にせっせと、ガス料金を払いきれなくて都市ガスが止まりカセットコンロと冷水シャワーの生活が一週間続いたビンボー話だの、昔録画しておいたヒロシの『迷宮グルメ 異郷の駅前食堂』の、ベトナムとキューバの回をブルーレイにダビングしながら抱いた、自称共産主義国家の貧富の格差に対する深遠な考察だのを長々と打鍵していたら――。
はい、ウインドウズ・アップデートが唐突に破壊活動を開始、なにもかもがフリーズしたのち再起動に二時間もかかって、作業途中だったデータは、きれいさっぱり消滅しました。
まあ、消えたのが小説の続きじゃなくて雑文だったのは不幸中の幸い、いや大いなる僥倖だったのではないか――。
などと自分を慰めつつ、でもやっぱし、あーなんかもうどうでもいいや、みたいな脱力感がハンパではないので、一週間ぶりに風呂に入って、寝てしまおうと思います。
泣く子とマイクロソフトには勝てない――それが世界のキマリですもんね。
06月08日 木 雑想 |
「どうせ気が滅入るだけなんだから、新聞だのニュース番組だのドキュメンタリーだの、いちいちチェックしないで適当に無視しとけよ」とは自分でも重々思っているのだが、それらの情報の内、二割程度は「ああ、やはりこの世界も人間も、けして捨てたものではない」と思わせてくれるし、一割程度は「ああ、やはりこの世界も人間も、祝福されるべき存在なのだ」と、しっかり思わせてくれる。
だから、やっぱり、いちいちチェックしてしまうのだが――。
でも、あとの七割は「ああ、やはりこの世界は、人間抜きのほうが百倍は美しいに違いない」と思ってしまうような情報なので、結果的にはやっぱり滅入ってしまう今日この頃、皆様方におかれましては、いかがお過ごしのことでございましょうや否や。
◇ ◇
そんな日々を過ごしつつも、怨霊物件の続きをちまちま打鍵していると、やはり週に二日くらいは、ほんの小一時間程度ながら、脳内麻薬が噴出してくれる。
近頃はすっかり脳味噌が老化し、打鍵時間の3〜4倍は推敲に費やさねばならないが、それもまた続きの打鍵がもたらす脳内麻薬のためなので、やめるわけにもいかない。
ヤク中と同じである。
思えば二十年前あたりには、24時間飲まず食わずで打鍵し、ひたすらラリった時期もあった。
推敲時間も、打鍵の2倍程度で済んだ。
しかし、嘆くまい。
自前のヤクは、まだ尽きたわけではない。
◇ ◇
ヤクといえば、猫動画もまた、グッドトリップに繋がりがちなヤクである。
ふつうの猫の動画、マヌルネコやスナネコの動画は巷に溢れているので、ここでは、ダメになってしまった大型猫科動物各種や、にゃあにゃあ鳴いているチータの動画を紹介しておく。
06月01日 木 信じようと信じまいと |
両手でスマホを操作しながら夜道を自転車で走る背広姿の男、という、信じられないモノを目撃してしまった。
どう見ても三十代半ばを過ぎた、会社員なら中堅どころと覚しい、一見真面目そうな男である。
よほどバランス感覚に自信がある会社員なのだろう。
幼い頃に鎮守の森で遊んでいるところを人さらいに拉致されてドサ回りの曲馬団に売られ、酢を飲まされながら辛い曲芸をしこまれ、長じて命からがら脱走に成功し、心機一転都会をめざし、艱難辛苦の末に一般企業に就職した――そんな数奇な過去を持つ会社員なのかもしれない。
でなければ、たまには車も通り、横道から人が出てくるかもしれない一般道で、そんな曲芸に挑戦したりはするまい。
あるいは、単に末期的なスマホ中毒者で、心が液晶の奥の仮想世界に翔んでしまっただけかもしれない。
いずれにせよ、けして狸の作り話ではなく、実際に狸穴の近所で、先月の末に目撃した話である。
◇ ◇
AIが人類を滅亡に導くかもしれないと、AIの開発者自身が、警鐘を鳴らし始めたそうである。
狸としては、別にAIに頼らなくとも、人類は、人類自らのウスラバカな行動力で、立派に滅亡できそうな気がする。
いや、滅亡は無理かもしれない。
ウスラバカに理屈は通用しないからである。
全世界が放射性物質に覆われようが、地表の全てが灼熱の砂漠と化そうが、ニブいウスラバカは、そのニブさゆえに生き残るであろう。
で、「あれ? なんか近頃、世の中つまんなくね?」とかぼやきながら、スマホもAIも無くなった世界で、洞口の壁に何やら彫りつけ始めたりするのね。