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06月29日 土  「すみません、遅れちゃいました。わたくし、世紀末です。すぐに仕事に入ります」

 とかなんとか頭を掻きながら、恐怖の大王が大慌てで仕事を始めているようなここ数年間の世情ではあるが、その仕事ぶりは、ノストラダムスが期待していたような一発大勝負でもなんでもなく、むしろ恐怖の小王クラスが何十人も世界に散らばり、ハンパな仕事を繰り広げているだけのような気がする。
 狸が常々感じているように、人類の業《ごう》と言うものは、巨大隕石だの核戦争だのでイッキに消滅できるほど、甘いものではないのである。

          ◇          ◇

 ころりと話は変わって、狸が先月ちょっとだけ追加したカクヨムの怨霊物件、なぜか追加したぶんの末尾だけ、PVがやたらと増えていく。
 以前にも途中の一区切りだけ奇妙にPVが増え、おそらく作中の問題児(問題ゾンビ?)に『池沼』というネットスラングを使わせたのでなんらかのチェックが入ったのではないかと推測したのだが、思えば今回も『ソープ』とか『泡に落ちる』とか不謹慎な表現を使っており、そのためではないかと推測していた。
 かてて加えて、超高級酒の代表に使用した名称『レミーマルタン・ルイ13世・ブラックパール』、狸としては昔読んだ洋酒ウンチク記事を参照しただけだったのだが、その後ネット検索してみたら、ホスト界のカリスマと名高いヤマハ氏、いや失礼、ローランド氏が客に開けさせたボトルとして、近頃さらに名高くなっているらしい。もしかしたら、そっち方面から覗きに来てくれる方がいるのかもしれない。
 いずれにしろ、直前のシークェンスのPVはちっとも増えないので、いつ終わるとも知れぬこの大長編に根気よく目を通してくださっている読者様は、正味8人程度と判断して良さそうだ。
 狸としては、それで本望である。前の猫耳物件カクヨム版など、最終回のPVはたったの3名だ。それでも元祖の青空文庫版のPVが、未だにちらほら増えているので、あっちを覗いてくださる方も、けっこういるのだと信じたい。

 ところで猫村様、アルファポリスでの『方違さん』の御健闘、おめでとうございます。
 大人向けの『ジャスミン島』のほうは、やっぱり読者層がマッチしないのでしょうか。


06月22日 土  タイホしちゃうぞ

 まあ、県警本部長などというシロモノは、どうで警察庁から出向してきた地元にも捜査現場にも縁のないおエラいさんのこと、現在着任している組織をいかに無難に運営したような記録を残すか、それだけを後生大事にするのが仕事なわけで、なんぼマスコミに叩かれようと知らぬ存ぜぬを通すのが、本来の職務なのだから仕方がない。

 一方、情報漏洩で逮捕された元生活安全部長は、おそらく現場からの叩き上げであり、おまけに生活安全部などという部署は、市中の揉め事に日々具体的な対応を迫られる部署だし、なにかと人倫が軽視される近頃の市中は、ストーカーやら盗撮やら痴漢やら特殊詐欺やらがてんこもりなので、うんざりするほどてんてこまいの日々が長く続いていたはずである。

 今回話題になっている隠蔽疑惑の中の警察官による盗撮事件、狸は昔あちこちの駅ビルやSCで働いていたので、自分が盗撮されていることに気づいた女性がどれほどの精神的ダメージを受けるか、実地に見聞している。それはもう、泣きじゃくりながらパニック状態に陥ってしまうのだ。
 県警本部長などというシロモノは、そんな現場に臨場した経験はまずなかろうから、そうした現実を知りながら自分で盗撮に走る警察官がいかに万死に値する犯罪者であるかも、想像できなかろう。十中八九、「見られたくらいで大騒ぎするんじゃねーよ下々の女がよう」くらいの認識しかないと思われる。

 まあ狸個狸の提案としては、その盗撮した警察官も隠蔽しようとした県警本部長も、フルチンで一週間くらい駅前に繋いでおき、道行く方々に自由に撮影していただけばよかろうと思うのだが、たぶん警察庁の方々などは皆さんお育ちのおよろしいお優しい方々ばかりなので、すべての職員に分け隔てなく退職金を配ってやりたいと願っているに違いない。事実、その盗撮した警察官も、無事に退職金を受け取っている。

 狸が近頃『科捜研の女』や『警視庁強行犯係・樋口顕』にハマっているのは、徹底的に現場主義であり、犯人がおエラいさんであろうが警察仲間であろうが一般市民であろうが分け隔てなく捜査し、ちゃんと逮捕してくれるからである。


06月15日 土  老狸の夏歌

 今年はもう梅雨に入る前から真夏が襲来しており、北方亜種の狸などは、いよいよ世界が終わるのかと怯えているわけだが、まあ、太古から終わる終わると騒がれつつ、幸か不幸かただの一度も終わったためしのないこの世界、巨視的に見れば、そのうちまた氷河期が訪れるに相違ないのである。
 と、ゆーわけで、やっぱり夏には、夏っぽい歌でしょう。

     

 この名曲に関しては、近頃ネットで様々な裏話が語られ、爺いには興趣が尽きない。
 当時、すでに成人していた狸は、いっちょまえに可愛い娘狸に果敢な接触を試みたりもしており、どこぞの島の浜辺あたりで、ふんふんと鼻を鳴らしていたわけである。

     

          ◇          ◇

 まあ、そのちょっと前までは、東北でドンヨリした浪人生活を送っていたので、こんな夏の歌を聴きながらも、娘狸のいる浜辺などは、想像すらできなかった。

     

 いや、しこたま想像だけはしていたのだが、あくまで異世界ファンタジーにすぎず、中学時代の同級生――狸と違って、ええとこのボンボンであった――がストレートで青学に受かり、夏休みは親の金でハワイのねーちゃんと遊んできたなどと聞かされ、ドス黒い殺意を抱いたりもしていた。

          ◇          ◇

 しかし今となっては、すべてが恩讐の彼方、遠ざかる夢幻にすぎない。
 なんの悩みも後悔もなかった幼時を思い、老体をいたわるばかりである。

     

 でもまあ幼時だからこそ、周囲には幼い女児が充ち満ちていたわけで――やっぱり昔は良かったよなあ、うん。


06月08日 土  老パヨクの浮気

 実は春先から、長年慣れ親しんだ朝日新聞ではなく、東京新聞に購読を切り替えている。
 理由は単純明快、朝日が高価すぎて、新聞代を払いきれなくなったからである。

 いっそ新聞購読自体をやめてしまえばいいのだが、因果な事に、中学時代あたりから毎朝欠かさず接していたため、もはや狸は、日替わりの新聞がなければ生きていけない。
 毎朝、眼界いっぱいに、みっちり詰まった活字の紙媒体による日替わりの情報が広がらないと、生きている実感が得られないのである。
 休刊日の前日には、わざわざ全部目を通さずに、翌朝のぶんを残しておくほどである。

 東京新聞を選んだのは、近所の配達店が朝日新聞と東京新聞を扱っており、東京新聞の朝刊だけなら朝日より月に2500円安く、ためしに半月ほど朝日といっしょに無料で配達してくれると、あちらから言ってきたからである。おそらく朝日の値上げ以降、契約を打ち切る家が続出し、商売が難しくなっているのだろう。

 そうして、半月ほど、両者を読み比べてみたところ――。
 今まで一度も読んだことのない東京新聞は、思ったより赤っぽいのであった。
 近頃はネトウヨの悪評を恐れてか、めっきり1面の見出しが大人しくなっている朝日に比べ、東京新聞の1面には、かつての朝日のように、ちゃんと毎日、アカイアサヒが昇っている。このところのキシダ君の記事なんぞ、まるっきり売国奴扱いである。
 まあ、アカいのは社説くらいまでで、全体的な情報量は朝日より少なく、読者からの投書や家庭欄などは毎日が日曜版のようにユルいのだが、そこはそれ、地方紙らしい愛嬌と言えなくもない。貧窮による狸の精神的なササクレを、クールダウンする効果もある。

 などと、もっともらしく語りつつ――。
 実は狸の心の琴線を、毎朝ポロロロロンとかき鳴らしてくれるのは、最終面を飾っている4コママンガ、『ねえ、ピヨちゃん』なのであった。

 これが、とにかくかわいい。
 毒のなさにおいて、朝日の『ののちゃん』とは別次元である。
 主役の完全天然女児ピヨちゃんもかわいいが、狸はツンデレ女児のヒミコちゃんがお気に入りで、彼女がメインの日には、思わず「やったあ」と心が弾む。
 ヒミコちゃんは、くるくる巻き毛の金満家のお嬢様なのだが、おかっぱ頭の庶民派ピヨちゃんにぞっこんであり、事あるごとにピヨちゃんの庶民レベルに同調しようとして、ハイソゆえの齟齬を露呈する。それでも丸っきりピヨちゃんを肯定するわけではなく、ピヨちゃんの天然ボケが目に余ると、思わずクールにツッコんだりもする。
 ちなみに、毎朝連載するからには、女児ネタや小学校ネタや家庭ネタだけでは間が持たず、御町内の猫社会の擬人化ネタが多いのも楽しい。
 なお『ねえ、ピヨちゃん』は、あっちこっちの地方紙に同時掲載されているらしく、全国的な評価が高いようだ。

 ともあれ、アカイアサヒが昇る1面→だんだんユルくなる中身→完全ほのぼの最終面、そんな毎朝の流れが、疲弊した老パヨクの狸にとっては、低価格以上にありがたい東京新聞なのであった。 


06月01日 土  さよならじゃない足音

 スターダスト・レビューのボーさんこと林さんが、咽頭ガンで療養中であることは、だいぶ前にBSの歌番組で根本さんが話していたから狸も知っていたのだが、こないだ夜勤明けに風呂に入りながら朝のNHKラジオを聞いていたら、やはり根本さんがゲスト出演しており、林さんがガンの転移で声帯摘出手術を受けたことを知った。

 スタレビの歌のほとんどは根本さんがメインボーカルで、今は脱退した三谷さんもたまにメインボーカルを務めていたが、林さんがメインボーカルを担当したのは、狸の拙い記憶だと、アルバム中のこの一曲しかない。
 終始ファルセットで、かなり苦労して歌っていると思われるのだが、その一曲を、狸はスタレビの数多いシングル・ヒットよりも、ずっと愛聴し続けている。

     

 咽頭ガンと言えば、狸の御贔屓のハリウッド俳優ヴァル・キルマーも声帯摘出しているが、こないだの新作トップガンでは、やつれたとはいえ、ガンを患う前の見事な肥満体よりも、よほど元祖トップガンのアイスマンっぽい体形で、お偉いさん役を演じていた。

 林さんは、声が出なくともパーカッション等で復帰できるよう、現在もリハビリに励んでいるそうだ。
 確か林さんは、狸と同い年の根本さんよりも三歳若いはずだから、どうか元気に復帰していただきたいものである。
 根本さんだって、何年か前に、脳血栓から無事に復活している。